糸井 理想は5番だけど1番でもいい 初の試み“糸糸コンビ”

[ 2018年3月24日 05:30 ]

オープン戦   阪神1―3オリックス ( 2018年3月23日    京セラD )

<オ・神>6回2死一塁、糸井は二盗を決める
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 阪神・糸井嘉男外野手(36)が23日のオリックス戦で今春オープン戦では初の1番に座り、2安打を放った。初回は右越え二塁打で突破口を開き、先制の生還。6回には初盗塁も決め、適性の高さを見せつけた。金本監督は改めて5番起用を理想に掲げた一方、強力なオプションになることを証明した。

 超人のバットが難敵の出ばなをくじいた。戦い慣れた京セラドームでの古巣・オリックスとのオープン戦に糸井が1番で登場。DeNA戦の雨天中止で“幻”に終わった20日に続く試験的布陣だった。初回は開幕投手を務める西の3球目の直球を振り抜き、右翼フェンス直撃の二塁打で先制機をつくった。

 「頑張りまーす!」

 試合後はその一言を残しただけ。それでも今年の実戦で初めての打順1番で存在感を見せつけた。初回は2番・糸原の中前打で二塁から生還し、先制の本塁を踏んだ。6回1死でも西の直球を中前へ。糸原が空振り三振に倒れたフルカウントからの7球目にはスタートを切り、今春初盗塁も付いた。

 金本監督の構想では4番・ロサリオを実績のある福留、糸井で挟む中軸が基本形。十二分に適性が見えた「1番・糸井」について「分からん。まだまだというか、あと2試合やけど、臨機応変に行きますから」と明言を避け、「理想は3番、5番でね。(福留)孝介とでロサリオの前後を固めたいけどね。まあ、まだ分かりませんわ」と思案顔だった。

 現時点ではあくまでオプション的な起用法ながら適性の高さは数字も物語る。昨季の先発時の打順別成績は83試合出場した3番が打率・278、12本塁打47打点に対し、1番は25試合で打率・350、5本塁打15打点。俊足で出塁率が高く、パンチ力もある大型1番も魅力十分だ。

 片岡ヘッド兼打撃コーチは「こういう並びもあるということ。いきなり長打で相手の出ばなをくじく形で、こちらが期待した通りの働きをしてくれた」と評価し、本番でも採用する可能性を示唆した。打線全体で「糸・糸コンビ」の3安打だけと打線が元気ない中で、今春初めてフル出場した超人のエンジンが回転し始めたのは明るい材料だった。(山添 晴治)

 《昨季は1番で25試合》糸井(神)は昨季114試合中109試合に先発出場し、打順で最多は3番の83試合、次いで1番の25試合、4番1試合の順。1番では5本塁打を含む打率・350、15打点をマーク。8月30日のヤクルト戦(甲子園)では延長10回2死から右中間へサヨナラソロを放っている。

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