阪神ドラ１大山　ＣＳ１号含む新人初４安打「勝たないと意味がない」

セ・リーグＣＳファーストＳ第２戦   阪神６―１３ＤｅＮＡ （ 2017年10月15日    甲子園 ）

＜神・Ｄ＞７回１死二、三塁、大山は中越えに２点二塁打を放つ
Photo By スポニチ

　完膚なきまでに打ちのめされた試合で、阪神・大山はＤｅＮＡに牙をむいた。一時勝ち越しの本塁打を含む５打数４安打の大暴れ。ずぶ濡れ、泥だらけになりながら孤軍奮闘した。

　「チームが勝つことが一番なので。明日がんばります」

　大敗しただけに試合後は表情一つ崩さず。しかし、その活躍ぶりは衝撃だった。まずは２回先頭で右前打。今永からこの試合チーム初安打を放ち、後の俊介の適時打で先制のホームを踏むと、同点とされた直後の３回だ。２死走者なしから、真ん中スライダーを捉えて左中間席に運んだ。

　「同点にされた後だったので、とにかく出塁してチャンスをつくることを考えていた。いつも通り、思い切って積極的に打ちにいったことがいい結果につながったと思います」

　１打席目に執ように攻められた内角直球ではなく、変化球に見事に対応した。球団新人がＣＳで本塁打を放つのは史上初で、１２球団で見ても１３年ロッテ加藤以来、４人目（５本目）だ。チームが今季、甲子園で３戦３敗と苦しめられた今永を沈めたと同時に、球史に名を刻んでみせた。

　６回先頭で二塁打を打って猛打賞とし、迎えた７回。サイクル安打まで三塁打のみとした打席で、砂田のスライダーを中堅フェンスまで運んだ。ボールが転がりにくい芝状態を考えれば三塁打は十分あり得たが、打球はキレイにフェンスで跳ねて桑原のグラブへ。結局、この試合２本目の二塁打で偉業達成は逃したが、十分だ。

　普段から、「どれだけ打っても、勝たないと意味がないと思うんです」と話すだけに、素直に喜べない。しかし、大舞台でも物おじせず結果を出した事実はまた一つ成長の糧になる。そして、１６日の天王山でも、ルーキーのバットにかかる期待は大きい。　（巻木　周平）

　≪新人４安打はＣＳ史上初≫新人の大山（神）が３回の本塁打を含む４安打。プレーオフ、ＣＳで新人の本塁打は０９年野本（中）、１０年清田（ロ＝２本）、１３年加藤（ロ）に次ぎ４人目。１試合４安打は１５年阿部（巨）以来１５人目（１６度目）のタイ記録だが、新人がマークするのは初めて。