ソフトB紅白戦で驚きの風景…ベテラン本多が見せた「変化」とひたむきさ

[ 2017年10月16日 11:30 ]

15日の紅白戦で一塁の守備につくソフトバンクの本多
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 ひたむきさを持ち続けるのは、難しい。年齢を重ねれば重ねるほど、そうだと思う。

 2年ぶりのパ・リーグ優勝を決めたソフトバンクが、15日まで行った紅白戦で驚きの光景を見た。プロ12年目のベテラン・本多雄一が、紅組の三塁で出場していたのだ。公式戦は二塁と遊撃だけしか、守った経験はない。さらに試合途中からは一塁の守備にも回った。借り物のファーストミットを左手に身長1メートル75の小柄な体を伸ばし、捕球する。クライマックス・シリーズ(CS)ファイナルへのメンバー選考も兼ねた紅白戦は、ただの「調整」の場ではない。

 「三塁からもいい球を投げられる。いろんなことができるのを監督にも見てもらえればと思う」と鳥越内野守備走塁コーチ。11、12年には二塁手としてゴールデングラブ賞を受けたが、今季は62試合、打率・213、8打点、10、11年にタイトルを獲得した盗塁も3にとどまった。二塁の定位置は明石がつかみつつあり、現状で「変化」は必要だった。

 サラリーマンが長年、第一線でやった仕事から突然、違う部署へ突然、配置転換されるようなものだ。モチベーションを維持するのは難しいだろうと思う。ただ、本多の答えは違った。「やるならのびのびとやりますよ。任されたら、よし、OK!とね」。腐ることはせず、今、自分に何ができるかに全力を注げる強さがあった。

 15日の最後の紅白戦。背番号46は右翼線適時三塁打を含む2打数2安打1打点1盗塁とアピールに成功した。これだけの実力者が控えるからこそ、シーズン94勝の独走劇は成し遂げられたと思う。 (記者コラム・福浦 健太郎)

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