楽天・岸 史上初!CS古巣斬り ブーイング何の7回途中0封

[ 2017年10月16日 05:30 ]

パ・リーグCSファーストS第2戦   楽天4―1西武 ( 2017年10月15日    メットライフドーム )

<西・楽>5回2死二塁、岡田を三邪飛に仕留め、打球を指さす岸
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 楽天・岸孝之投手(32)が、古巣・西武戦に先発し、6回1/3を3安打無失点の快投。レギュラーシーズンは最後に7連敗を喫したが、負ければCS敗退が決まる大一番で、ファイナルステージ進出に望みをつなぐ大きな勝利をもたらした。

 昨年まで大歓声を浴びた球場で、試合前には敵地ファンからブーイングを浴びたが、試合後は楽天ファンからの「岸コール」に包まれた。負けられない大一番で、楽天・岸がファイナルステージ進出へ望みをつないだ。

 「(負けられない)気持ちはあるけれど、シーズン後半戦勝てなくて。“ここで勝たなきゃ、何してんだろう”という気持ちだった」

 7回途中まで8三振を奪い、無四球で3安打無失点の快投。故郷・仙台の地元球団に移籍した意味を示した。初回、先頭の秋山に投じたのはこの日最速150キロ。「最初から全力でいった」。中前に落ちる不運な二塁打となったが、動じず後続を断った。5回1死二塁では中村に、4球目のカーブをはじき返されたが、「打った瞬間、ファウルだと思った」とあせらず6球目で左飛に仕留めた。

 7月19日の日本ハム戦以来、13試合ぶりの勝利は格別だ。今季8勝10敗ながら防御率2・76。好投しながらも勝てず、フラストレーションがたまったが、「星さんのために勝ちたい」という感情が生まれた。先発投手陣は、星洋介トレーナーが個々に作ってくれた練習メニューで、ここまでコンディションを整えてきた。肩のチェック、マッサージなど球宴休みを除くと、一日も休まずに手伝ってくれた。自分のことでなく、お世話になった人に勝利を贈りたい。その思いが、負けられない一戦で結実した。

 前日、敗戦投手となった則本から「頼みます」とメールをもらった。そんな仲間の期待にも応えた。チームは炎獅子ユニホームを着た西武に9連敗を喫していたが、そんなジンクスもストップ。「(16日に先発する)美馬につなげようと思った。(ファイナルSが行われる)福岡へ行きましょう」。お立ち台で叫んだ岸の言葉は頼もしかった。 (黒野 有仁)

 ≪5年ぶり2勝目≫岸(楽)が6回1/3を3安打無失点で勝利。CS登板は西武時代の13年1S(1)戦以来通算6試合目だが、白星は12年1S(2)戦に次ぎ5年ぶり2勝目(3敗)。プレーオフ、CSで2球団で勝利は涌井が08年西武、15年ロッテで記録して以来6人目だ。また、プレーオフ、CSで過去に在籍した球団相手に勝ったのは岸が初めて。

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