筒香「勝つしかない」“田んぼ甲子園”V撃 DeNA泥まみれ白星で逆王手 

[ 2017年10月16日 05:30 ]

セ・リーグCSファーストS第2戦   DeNA13―6阪神 ( 2017年10月15日    甲子園 )

<神・D>5回、打席で尻もちをつき、泥だらけなった筒香 
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 泥まみれの白星で逆王手!DeNAが13―6で阪神に勝利し、1勝1敗とした。朝からの雨で試合開始が1時間3分も遅れ、グラウンドは水たまりができる最悪のコンディションだったが、7回に4番・筒香嘉智外野手(25)が決勝の右前適時打。2年連続ファイナルステージ進出を懸けて、16日の第3戦に挑む。

 どれだけ土を入れても、水たまりはすぐにできた。そんなグラウンドをものともせず、筒香の打球は抜けた。

 「同点でも駄目なので何としても勝つしかないという気持ちだった。自分が還そうと思っていた」

 4―4の7回無死一、三塁。桑原の投じた外角スライダーを引っ張った。「チャンスだったので、積極的にいこうと思った」と決勝右前打を放ち、打線はここから4安打の猛攻で一挙6得点を奪い、勝負を決めた。

 まるで田んぼで野球をやっているようだが、最悪のコンディションがチームに幸運をもたらした。この回先頭・梶谷の打球は力なく一塁線に転がったが、ぬかるんだ土で打球が止まり、内野安打となった。ここから筒香の一打が生まれた。

 集中力もすさまじかった。5回2死一塁で、石崎の2球目が顔面付近を襲った。大きくのけぞった筒香は濡れた地面に足をとられて転倒した。ユニホームは泥がベットリとついて真っ黒に汚れた。ベンチに戻り、一度仕切り直しとなったが、「気持ちと気持ちのぶつかり合い。向こうも本気できていた」と打席に戻って8球目を右前にはじき返した。

 試合開始前から降り続く雨の影響で、開始が1時間3分遅れた。雨はやまず、いつ中断になってもおかしくない状況で、ラミレス監督は「コールドゲームも頭にあった」と打ち明ける。5回を終えて試合が成立すれば、同点でも敗退が決まるが、25歳の主将は「コンディションは相手も一緒。自分たちの野球をやろう」とナインを鼓舞し続け、「球足まではコントロールできない。強く振ることだけを考えた」とチーム最多の4安打をマーク。CS新記録となるチーム21本目も、自ら中前打で決めた。

 CS最長となる4時間35分の乱戦を制し、1勝1敗に持ち込んだ。「戦いなので、本気。生ぬるいことはできない。僕たちは勝つしかない」。イニング間に着替えたユニホームは、試合終了時に再び真っ黒になっていた。3位からのファーストS突破の条件は勝利のみ。最後まで泥くさく戦う。 (中村 文香)

 ≪16日は降水確率60%≫16日の甲子園球場近辺の天気予報は曇時々雨で降水確率は60%。前線や湿った空気の影響で、この日から雨が降り続く見込み。17日は「雨のち曇」で前線が南下して午後から日が差す可能性もあるが、引き続き傘の用意は必須。厚めの上着も必需品だ。

 ≪逆王手突破率15%≫楽天とDeNAがともに1勝1敗のタイに戻した。3試合制のプレーオフ(PO)、CSで1勝1敗となったのは14、15度目。過去13度のうち逆王手をかけたチームが第3戦も勝ったのは06年ソフトバンクと09年中日の2度だけで突破率は15%。逆王手チームは11年から8連敗中だがDeNA、楽天はどうなるか。

 ≪3位から突破率52%≫逆王手をかけたDeNAと楽天はともにシーズン3位。3位チームがPO、CSのファーストSを突破したのは昨年DeNAまで過去12度あり、突破率は52%。両リーグとも3位チームがファイナル進出を決めたのは08年(中、日)、10年(巨、ロ)、13年(広、ロ)と過去3度ある。

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