【石井一久 視点】「完璧」球界屈指の回転数 楽天・岸の直球切れ抜群

[ 2017年10月16日 09:40 ]

パ・リーグCSファーストS第2戦   楽天4―1西武 ( 2017年10月15日    メットライフドーム )

<西・楽>試合後、岸(左)に話を聞く石井氏
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 楽天・岸は8三振のうち、7つを直球で奪ったように、切れが抜群だった。軸である直球がしっかりしていると、第2、第3の球種も生きる。

 それを象徴していたのが、好調な山川との対戦。初回2死二塁のピンチで、得意のカーブで空振り三振に仕留めた。山川は、以前のようにボール球に手を出すことも減り、初戦でも則本のフォークを見逃していた。それが完全に体勢を崩され、第3打席でも同じような空振りがあった。打者は直球に切れがあると感じると、無意識のうちに振り遅れないようにポイントを前で打とうとする。そこに緩いカーブが来るので、思わずバットが出てしまう。

 岸は僕が一緒にやっていた頃と比べて、球速も上がったが、一番の武器は球界屈指の回転数の高さ。しなやかなフォームから腕をムチのようにしならせ、球を長く持ってリリースするので、回転数が上がる。直球がこれだけ走ると、ファウルを取れて追い込むことができるので、バッテリーに配球の選択肢も増える。

 ほぼ完璧な投球。ヒーローインタビューで「最後にひと言?」と聞かれ、「福岡へ行きましょう!」と叫んだが、もっと気の利いたことを言えたら「完璧」だったね。(スポニチ本紙評論家)

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2017年10月16日のニュース