金本監督「風が向こうに吹いている」…連夜のサヨナラ負け

[ 2017年9月7日 05:42 ]

セ・リーグ   阪神3―4広島 ( 2017年9月6日    マツダ )

<広・神>延長11回、会沢の打球を糸井が懸命に追うもサヨナラ打となる
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 阪神は激闘実らず2日連続のサヨナラ敗戦に沈んだ。6日の広島戦(マツダ)は先行して優位に進めながら8回に3点差を追いつかれ、延長11回に力尽きた。逆転した直後の9回に再逆転された前夜に続く悪夢。広島戦での2試合連続のサヨナラ負けは1994年以来の悲劇になった。

 同点で迎えた延長11回1死二塁、フルカウントから石崎が投じた7球目は会沢に打ち返された。鯉党の歓声に彩られた打球は、右翼手・糸井の頭上を越えた。今季初の2戦連続サヨナラ負け。広島とのゲーム差は8・5に開き、優勝マジックは「10」に減った。さすがに疲労の色をにじませた金本監督は、静かに敗戦を振り返った。

 「ここはまあ何と言うのか、そういう風が向こうに吹いている」

 経験の浅い3年目右腕に責任を負わせることはできない。3―0の優勢が暗転したのは8回の守りだった。当然のように勝ちパターンのマテオがマウンドに向かったが、1死から「まさか」の事態が起こる。

 菊池をレフトフライに打ち取った…かに思えた。だが、フェンス際まで伸びた打球に、福留が目測を誤ってしまったのか。結果的に落下地点を通り過ぎる形になり、打球は地面ではずんだ。記録上は三塁打だが、名手らしからぬプレーだった。

 一度傾いた流れはなかなか引き戻せない。続く丸の高く跳ねたゴロが遊撃への適時内野安打となり、1点を失った。松山に中前打でつながれ、なおも1死一、三塁。新井の二ゴロの間に2点目を許すと、2死二塁から安部に右前適時打を浴びて、ついに同点に追いつかれた。ここでマテオは降板した。

 前夜は守護神ドリスが安部にサヨナラ2ランを被弾したばかり。自慢の「勝利の方程式」が広島の勢いに連日のみ込まれても金本監督は責めなかった。

 「ウチはリリーフで持ってきたチーム。そこが打たれたなら、もうこれは昨日と一緒。仕方ないとしか言いようがない。今までこの位置にいられるのはリリーフの貢献が一番、大きいところだから」

 3連勝を狙って乗り込んだ広島で痛恨の2試合連続サヨナラ負け。特にマツダスタジアムでは2勝7敗1分けと劣勢だ。「そこ(劣勢の状況でも勝てるチーム)を目指さないと。どんな逆風が吹こうとも。“勝つ”という気持ちは、絶対に持っていると思うしね」とチームにさらなる成長を求めた。(惟任 貴信)

 ≪広島市民以来23年ぶり≫阪神は前夜に続き今季6度目のサヨナラ負け。2試合連続は昨季5月25、26日のヤクルト戦で喫して以来。広島に2試合連続は94年5月4、5日の広島市民以来23年ぶりで、マツダでは初めて。

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