広島・会沢「ボールを渡します」胃がんから復帰目指す赤松の誕生日に劇打

[ 2017年9月7日 05:37 ]

セ・リーグ   広島4―3阪神 ( 2017年9月6日    マツダ )

<広・神>延長11回1死二塁、会沢はサヨナラ打を放ちガッツポーズ
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 11回1死二塁。広島・会沢はフルカウントからの7球目、150キロ外角直球を振り抜いた。打球は前進守備を敷く右翼・糸井の頭を越えるサヨナラ打だ。ナインの祝福を受けたヒーローは、お立ち台で「最高です」と3度絶叫。声が弾んだ。

 「後ろに広輔(田中)がいるので、つなげたらサヨナラがあると思って、打席に入りました」

 11回1死から、途中出場の上本が四球を選んだ。会沢の打席の4球目に、相手の警戒をかいくぐって二塁盗塁を決めてくれた。「崇司(上本)も出場機会がない中でアピールをしたので、何とか還したいと思っていた」。バットを短く持ち、自身2度目のサヨナラ打を生んだ。

 前日は9回表に逆転されたが、裏に安部が逆転サヨナラ2ラン。驚異の粘り腰で優勝マジック12を点灯させた。そして、この日も劣勢をはね返した。0―3の8回。丸の遊撃内野安打で1点、松山が中前打でつなぎ、新井の二ゴロで1点差。そして2死二塁から安部が右前へ同点打を運んだ。安部は連日の殊勲打を「覇気で打ちました」と連日の決めぜりふで喜んだ。

 2日連続のサヨナラ勝ちは、昨年6月17、18日のオリックス戦以来。当時、2戦連続V打の鈴木に緒方監督が「神ってる」と評した時以来だ。指揮官は「凄い試合。執念、気持ち。選手の頑張りは大したもの」と興奮気味に話した。この日は、胃がんからの復帰を目指す赤松の35歳の誕生日。会沢は「仲間なので思いは一つ。(ウイニング)ボールを渡します。僕らの頑張ってる姿で勇気づけられたら」と言った。主力も、控えも、全員が目の前に最善を尽くす。その力の結集が劣勢をはね返す今季36度の逆転勝ちを生み出している。

 阪神を連破、9月負けなしの5連勝で、優勝マジックは10だ。リーグ連覇をさえぎるものは、もうない。

 ≪V決定は最短で12日≫会沢は4月18日のDeNA戦に続く自身2本目の劇打。優勝へのマジックナンバーは2つ減ってM10となり、V決定は最短で12日。

 ≪今季36度目の逆転勝利≫広島がスコア0―3から今季36度目の逆転勝利。阪神の30度を上回り両リーグで最も多い。また、3点差以上の逆転勝利は今季10度目で、昨季の回数に並んだ。なお、会沢は逆転試合で5本目のV打。チームでは新井の6本に次ぎ、丸、鈴木に並ぶ2位タイと逆転勝ちに貢献している。

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