後任は井口が有力 最下位低迷のロッテ伊東監督、今季限り辞任

[ 2017年8月14日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ3―6西武 ( 2017年8月13日    ZOZOマリン )

<ロ・西>9回、代打で出場する井口。後任監督の有力候補だ
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 ロッテの伊東勤監督(54)が13日、成績不振を理由に今季限りで辞任することを明らかにした。5日に球団に申し入れ、この日までに了承された。シーズン終了までは指揮を執る。就任5年目の今季は開幕から低迷し、最下位に沈んでいる。後任監督には、今季限りでの現役引退を表明した井口資仁内野手(42)が有力候補に挙がっている。

 試合前の練習を終えると、伊東監督は自ら切り出した。

 「今季限りでユニホームを脱がしてくれと言いました。これだけ負け続けたことが一番の理由。応援してくれている人たち、ファンの人たちを失望させてしまったのは、自分の責任です」

 就任5年目の今季、開幕から低迷を続けた。新たに獲得した外国人選手は機能せず、5月16日にはわずか37試合目にして自力優勝の可能性が消滅した。7月11日には自力でのCS進出の可能性も消滅し、球宴前で借金は球団ワーストの30を数えた。「球宴前からそういう腹積もりでいた」と覚悟を決めていた。

 仙台遠征中だった今月5日、球団幹部との会食の席で辞意の意向を伝えた。この日朝、山室晋也球団社長に直接伝えて発表に踏み切った。5年間で3度のAクラス入りを果たした指揮官に、山室社長は「チームの力を引き上げてくれた功績は大きい」と評価したものの「勝負師としてのけじめでしょう」と意思を尊重し、了承した。

 次期監督について、山室社長は「現状、全くの白紙」と語るにとどめ、シーズン終了までに選定する方針を示した。「伊東さんにチームの力を付けていただいた。それを踏襲できる監督を期待したい」と同社長。その理想像に当てはまり、有力候補として名前が挙がるのが、今季限りで現役を引退する井口だ。日米通算2000安打など実績は十分。豊富な経験に加えて若手からも慕われている。6月に引退を表明した際には将来的な指導者の道について「それは理想。でも、今は残りシーズンのことしか頭にない」と話していた。

 残り試合について「性格的に途中で投げ出すのは嫌」と最後まで指揮を執る伊東監督。現役時代は正捕手として西武の黄金期を支え、04年から西武監督を4年間務めた。13年にロッテの監督に就任。これまで選手、監督を通じて6位に沈んだことはない。厳しい戦いが続くが、1つでも上の順位を目指して残り41試合を戦う。

 ◆井口 資仁(いぐち・ただひと)1974年(昭49)12月4日、東京都生まれの42歳。国学院久我山から青学大に進み、東都大学リーグ記録の通算24本塁打。4年時の96年アトランタ五輪日本代表入りし、同年に逆指名でダイエー(現ソフトバンク)入団。04年オフにホワイトソックスに移籍し、フィリーズを経て、09年にロッテで日本球界に復帰した。13年に日米通算2000安打を達成。今季6月20日に今年限りでの現役引退を表明。1メートル78、91キロ。右投げ右打ち。

 ◆伊東 勤(いとう・つとむ)1962年(昭37)8月29日、熊本県生まれの54歳。熊本工から所沢に転校し、西武球団職員を経て82年ドラフト1位で西武入団。正捕手として黄金期を支え、ゴールデングラブ賞11度。1263イニング連続守備機会無失策のパ・リーグ記録を樹立した。03年に現役引退し、04年に西武監督就任。1年目に日本一を果たし、正力賞を受賞。07年の退任後は、09年にWBC総合コーチ、12年に韓国・斗山ヘッドコーチを歴任。13年からロッテ監督を務めた。1メートル81、84キロ。右投げ右打ち。

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