明豊2年・浜田 8回逆転2ラン「ガッツポーズはしないと」

[ 2017年8月14日 05:30 ]

第99回全国高校野球選手権第6日・2回戦   明豊7―6坂井 ( 2017年8月13日    甲子園 )

<明豊・坂井>8回2死二塁、逆転2ランを放ち、歓喜するベンチをバックに悠然とダイヤモンドを回る明豊・浜田
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 2回戦4試合が行われ、明豊(大分)は8回に浜田太貴外野手(2年)が左越え逆転2ランを放ち、7―6で坂井(福井)とのシーソーゲームを制した。大分勢の夏の甲子園初戦突破は11年の明豊以来6年ぶり。下関国際(山口)は4―9で三本松(香川)に敗れ、創部53年目での初出場初勝利はならなかった。

 まさに起死回生、劇的な一打。それでも目立ちたがり屋の明豊(大分)・浜田はあえてクールにダイヤモンドを回った。

 「(打球が)上がった瞬間は“いけー!”と思っていたけど、ガッツポーズはしないと決めていたんで。みんなが(ポーズを)しているから。自分はいつも打っている。でもうれしいです!」

 8回に1点差とし、なおも2死二塁。直球狙いで、3球目の内角球を振り抜く。自身の高校通算25号は逆転2ランだ。次打者席に控えていた先輩の4番杉園から「ありがとう」と感謝され、ベンチでは3年生から手荒い祝福を受けた。

 明豊の6年ぶり初戦突破は浜田の“独壇場”と言っていい。3回1死二塁で左翼フェンス直撃の先制二塁打。1―1の5回無死一塁は右中間へ勝ち越し二塁打。「優しい3年生が最後なんで終わらせたくない」。熱い思いを3安打4打点という結果で示した。

 「自分は打ったら飛ぶんで」

 打球の飛距離は、杉園と刺激し合い“明豊No・1”を争う。スタンド観戦した父・宏二さん(42)は「小6までソフトボールをやっていた。中1になって硬式球を打つ、公式戦初打席で場外ホームラン。あれはわが息子ながら度肝を抜かれました」と振り返る。明豊で体重は入学時と比べて5キロ増。練習で重さ1キロ、87センチの長尺バットを振り込んだ。以前は足を高く上げるフォームだった。今夏から、すり足に変更して素質開花。大分大会準決勝では4打数4安打7打点、2本塁打と大暴れ。同大会5試合で3本塁打、チーム最多の11打点を稼いだ。

 グラウンドを離れれば、誰かのギャグに対し、負けじとボケてくる通称“浜ちゃん”。明豊のいじられキャラは、お立ち台で「次も(狙うは)ホームランです」。インタビュアーの誘導尋問に笑顔で乗った。浜田が明豊の夏をまだ終わらせない。 (井上 満夫)

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2017年8月14日のニュース