青森山田“完全アウエー”を乗り越えた「声出していかないと飲み込まれるぞ」

[ 2017年8月14日 19:39 ]

第99回全国高校野球選手権大会第7日2回戦   青森山田6―2彦根東 ( 2017年8月14日    甲子園 )

3回表2死二塁、青森山田・赤平は中前に先制適時打を放つ
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 青森山田が“完全アウエー”を乗り越え初戦を突破した。6点リードで迎えた8回、彦根東が3安打を集め1点を返すと三塁アルプスを初め内野席も赤いタオルを振り大声援を繰り広げた。一塁を守る赤平竜太(2年)はふとある光景を思い浮かべていた。

 昨年夏の甲子園。東邦と対戦した青森代表の八戸学院光星は4点リードで9回を迎えた。東邦の反撃が始まるとアルプス席から内野席まで甲子園は東邦大応援団となり、ついに5点を奪われサヨナラ負けとなった。

 テレビ観戦していた赤平にはそのときの衝撃が脳裏に焼き付いていた。「(彦根東の)応援はすごかった。だから昨年のあのシーンを思い出しました。その回が終わってベンチに帰ってから、このまま声出していかないと飲み込まれるぞと話しました」

 2年生ながらゲームキャプテンを任せられている赤平は9回の守りでも声では通じないとジェスチャーなどでナインを鼓舞。反撃を本塁打の1点に抑え逃げ切った。打っても先制打を含む3安打2打点の活躍。同じ2年生の中沢樹希也が2打席連続本塁打を放つなど活発な打線と斉藤勇太(3年)の力投で3回戦に進出した。

 以前は関西方面からの留学生が多く、主力も県内の選手は少なかった。兜森崇朗監督が15年8月に就任すると県内の中学生を熱心に誘い、今年のスタメンは全員県内メンバー。地元の応援も今まで以上に熱くなった。「まず甲子園で1勝を目標にやってきた」と赤平。抽選で最後のカードを引き49校最後の出陣となったが、全員野球で9年ぶりに夏の白星をつかんだ。

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2017年8月14日のニュース