【西東京】完投の東海大菅生・松本 清宮対策は「とにかく内角」

[ 2017年7月31日 07:40 ]

第99回全国高校野球選手権西東京大会決勝   東海大菅生6―2早実 ( 2017年7月30日    神宮 )

<早実・東海大菅生>優勝しナインに胴上げされる東海大菅生・松本
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 西東京大会を東海大菅生が17年ぶりに制した。早実との決勝で松本健吾投手(3年)が7安打2失点の完投勝利。ここ3年続けて準優勝の無念を晴らし、3度目の甲子園出場を決めた。大阪大会は大阪桐蔭が3年ぶり9度目の優勝を果たした。

 2点リードの8回1死。清宮に右前打され、そこまで3安打の野村を迎えた。東海大菅生に忍び寄る「魔の8回」の気配――。

 2年前の決勝・早実戦、同じ8回に5点リードから8失点して敗れた。若林弘泰監督は「一瞬よみがえった」という。マウンドの松本に小玉主将が駆け寄る。「男になれ!」。奮い立った右腕は内角高め直球で野村を遊ゴロ併殺打に仕留めた。悪夢を振り払い、栄冠にたどりついた。

 11番の元エース。制球力に課題があった。1試合に8四球出したこともあった。6月上旬の試合でふがいない投球をし、背番号1を剥奪された。それでも練習は松本を裏切らなかった。毎日シャドーピッチングを欠かさず、1日最多200球を投げ込んだ。ブルペンでは防具を着けた打者相手に厳しく内角を突く練習を続けた。左打者はいつも「仮想・清宮」だった。

 「勝つために苦しい練習をしてきた」

 清宮への攻めは「とにかく内角。最悪当たってもいい」と徹底していた。1、2番を抑えたことも大きかった。清宮との4打席はすべて走者なしから。「楽に投げられた」と1安打に抑え「108号を打たれなくて良かった」と笑った。

 2年前の決勝はスタンド応援。昨冬には左すねの痛みで2カ月の離脱も経験した男が、準々決勝で日大三を封じ、早実も破った。甲子園では「1」を取り戻せそう。若林監督は「可能性はある」と言った。「絶対勝ってこいよ!」。清宮からエールを受け、松本は「甲子園で勝つことが目標。今は通過点」と晴れ舞台をにらんだ。 (松井 いつき)

 ◆東海大菅生(西東京)1983年創立。吹奏楽部は全国レベル。

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