【田淵幸一の目】清宮の打撃という“家”は建っている あとは内装

[ 2017年7月31日 08:10 ]

第99回全国高校野球選手権西東京大会決勝   早実2―6東海大菅生 ( 2017年7月30日    神宮 )

<早実・東海大菅生>最後の夏が終わり天を仰ぐ清宮(手前)
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 早実・清宮といえども力が入った。3打席目の捕邪飛は打ち損じ。4打席目は右前打も、本塁打にするには難しい低めのボールだった。全打席とも走者がおらず、相手投手にかかる重圧も違っただろう。それでも常にボールを手元に呼び込めるスイングスピード、上体の柔らかさ、選球眼の良さ…。典型的なホームラン打者。これで高校生か、と驚かされる。

 次なるステージ。六大学を盛り上げるのか、プロか。私は米球界に渡ってさらに鍛えるのもいいと思う。これからは早実の先輩・王貞治さんの一本足打法のように、これぞ「清宮流」という形を磨き上げてほしい。タイミングの違うどんな投手が来ても、微動だにしない打撃。現段階で土台は完成済みで、清宮の打撃という「家」は建っている。あとは内装をどうするか、だ。

 私が楽天コーチだった11年秋の倉敷キャンプ。星野仙一監督と仲のいい父・克幸さんに連れられて遊びに来た、当時小6だった清宮少年に会った。体の大きさに驚き、堂々とした話しぶりは大物感たっぷりだった。さらなる成長が楽しみだ。 (スポニチ本紙評論家)

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