西武・多和田 森慎二魂1勝 「下半身を使って」教え通りに98球

[ 2017年7月11日 05:30 ]

パ・リーグ   西武5―3ロッテ ( 2017年7月10日    メットライフドーム )

<西・ロ>森さんの背番号「89」のワッペンを帽子につけ力投する多和田
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 西武・多和田らしさが凝縮された初回だった。わずか7球、全て直球で3者凡退。それを伏線とし、中盤以降は直球待ちのロッテ打線を変化球で料理した。味方の得点直後の4、5回は3者凡退でリズムをつくり逆転を呼んだ。6回3失点で待望の今季1勝目をつかんだ。

 「ホッとした部分もあるし、うれしいですね」。右肩違和感での離脱も重なりここまで未勝利。前回6月28日ロッテ戦(那覇)は両親らの前で凱旋登板しながら、また勝てなかった。その試合後、同日に森投手コーチが急死した悲報が届いた。「信じ切れなかった。でも受け止め、慎二さんのためにもやるしかない」。1球目から右膝が土で黒くなるほど、低く沈み下半身で投げるのが多和田の持ち味。「慎二さんには下半身を使った投球の基礎を教わった」。森コーチも足を高々と上げた下半身主体の投球で活躍した。教えのまま、強じんな下半身を発射台に剛球を決め続けた。

 チームはこの日から帽子に森コーチの背番号89のワッペンを付けた。「多和田が勝てたことが一番うれしい」と喜ぶ辻監督は、「みんな帽子かぶるたびに目がいくし、一緒に頑張ります」と気持ちを新たにした。2強猛追へ、期待の24歳が力強く帰還。「前半戦何もできていない。少しでも貢献したい」と多和田は後半戦の起爆剤となることを誓った。 (後藤 茂樹)

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