【埼玉】“叡明のオコエ”三上ケビン 猛進3安打 本家を「超えたい」

[ 2017年7月11日 05:30 ]

第99回全国高校野球選手権埼玉大会2回戦   叡明6―0桶川西 ( 2017年7月10日    大宮公園 )

<叡明・桶川西>5回2死二塁、快足を飛ばし三盗を仕掛ける叡明・三上
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 第99回全国高校野球選手権大会(8月7日から15日間、甲子園)の地方大会は10日、22大会192試合が行われた。埼玉大会ではガーナ人の父を持つ叡明の「オコエ2世」こと三上ケビン外野手(3年)が3安打1盗塁の大活躍。桶川西に6―0で快勝し、初戦突破した。また東東京大会では、東海大高輪台が都国際戦で44得点の記録的猛打で圧勝。11日は24大会で188試合が行われる。

 ベースを蹴ると一気に加速した。3―0の3回だ。プロも注目する三上は、スライダーを振り抜くと左翼フェンス最上部に直撃。50メートル6秒2の快足で三塁まで駆け抜けた。楽天・オコエをほうふつさせる快足だ。

 5回2死では左翼線へ二塁打。直後に「ノーサインだったが、いけると思った」と大胆な三盗。さらに捕手の三塁送球が乱れた隙を突き、一気にホームへ。自らの足で1点を稼いだ。4打数3安打1盗塁、高校通算12本塁打のパワーも武器で、あと一発が出ればサイクル安打。「今日の出来としては80点。本当はホームランが打ちたかった」とはにかんだ。

 ガーナ人の父・マービンさん(55)と日本人の母・淳子さん(54)の間に生まれ、埼玉で育った。友人に誘われ、小学4年から野球を始めた。仲間からは「ケビン」と呼ばれ、「家で話すときも日本語。自分の英語は普通の高校生レベル」と笑う。

 試合前日は10人の寮生で中村仁一監督と外食をするが、当日の朝は白米を食べるのがルーティン。前夜はつけ麺で気合を入れた。プレースタイルも似ているオコエとよく比較されるが、日本ハム・中田とソフトバンク・柳田に憧れる。将来の夢はプロ野球選手だが、その前にかなえたい夢がある。「甲子園に出て、ホームランを打ちたい。オコエ選手を超えてみせたい」。自分だけの輝きを放つことを誓った。 (碓井 遥)

 ◆三上 ケビン(みかみ・けびん)1999年(平11)6月4日、埼玉県草加市生まれの18歳。小4でサッカーから野球に転向し、谷塚中では軟式野球部に所属。家族はガーナ出身の父と日本人の母、弟の4人。1メートル85、78キロ。右投げ右打ち。

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