12球団でわずか1勝 エースナンバー「18」苦難の時代にあらがう中日・鈴木

[ 2017年5月17日 09:40 ]

9日のDeNA戦で6回途中8安打2失点でプロ初勝利を飾った中日・鈴木
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 中日の背番号18、鈴木翔太が16日の阪神戦(甲子園)で今季2敗目を喫した。その前の登板、9日のDeNA戦(岐阜)でプロ初勝利。中日の背番号18では、12年伊藤準規以来5年ぶりの白星となった。勢い付いて臨んだマウンドだったが、初回に味方の失策が絡んで3点を失うなど、5回途中5失点で降板した。

 5月も半ばを過ぎたが、12球団の背番号18が挙げた勝ち星が鈴木の1つしかないことに驚く。さらに言えば、同日時点で出場選手登録されていた背番号18の投手も鈴木ただ1人だ。

 鈴木のほか各球団の「18」は、ソフトバンク・松坂大輔、ロッテ・藤岡貴裕、西武・多和田真三郎、オリックス・岸田護、巨人・杉内俊哉、ヤクルト・寺島成輝の顔ぶれ。日本ハムは「1」になった斎藤佑樹に替わって野手の岡大海が付ける。楽天、広島はそれぞれ田中将大、前田健太のメジャー移籍後に「18」を空位に。DeNAは引退した三浦大輔氏の準永久欠番となり、藤川球児がかつての「22」に戻った阪神も今季は空いている。

 昨季の背番号18で最も多く勝った(7勝)多和田は、先発ローテーションの軸として期待されながら0勝2敗。4月29日に右肩違和感で戦列を離れた。藤岡は不振で再調整中。手術からの完全復活を期して今季に臨んだ松坂と杉内は、コンディションが一進一退を繰り返して1軍登板がまだない。寺島はヤクルトの高卒ドラフト1位投手では77年の酒井圭一以来40年ぶりに「18」を与えられた。1軍スタートだった春季キャンプで左内転筋を痛めたこともあり、ファームで力を蓄えている。

 昨季は背番号18の2桁勝利が00年以降初めて不在だった。それ以上の「エースナンバー」受難のシーズンになりそうな気配の中、たった1人で流れにあらがうのが07〜16年の10年間トータルで「18」の勝ち星が12球団最少の4しかなかった中日の投手だから、面白い。(記者コラム・和田 裕司)

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