阿部、これぞ4番!読み勝ってV弾&4打点「最高で〜す」

[ 2017年5月17日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人5―1ヤクルト ( 2017年5月16日    東京D )

<巨・ヤ6>1回2死二塁、先制左越え2ランを放つ阿部(投手・ブキャナン)
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 これぞ、4番の仕事!巨人・阿部慎之助内野手(38)が16日、ヤクルト戦で初回に先制8号2ランを左翼ポール際に運んだ。通算381本塁打は球団史上3位の原辰徳にあと1本差と迫った。5回には右前2点適時打を放ち2安打4打点でリーグトップの33打点に浮上。先発した菅野智之投手(27)も8回6安打1失点でリーグトップタイの5勝目を飾るなどエースと4番の躍動でチームの連敗は2で止まった。

 自分が捕手なら、何を投げさせるか。阿部の打席での思考は、常にこうだ。新外国人のブキャナンとは4月19日以来、今季2度目の対戦。前回は初回のチャンスで決め球のチェンジアップをすくい上げ、先制の中犠飛を放っていた。

 この日も同じ初回。2死二塁のチャンスで打席が回って来た。

 阿部 チェンジアップを頭に入れながら反応で打った。自分でもうまく打てたと思う。行ったなーって。久しぶりの感触だった。

 落ちる球をマークしながら、外角150キロ直球を左翼席へ運んだ。配球の読み合いには負けない。この先制2ランが決勝点となった。対応力でもヤクルトバッテリーの上を行った。通算381本塁打は、原辰徳前監督に1本差に迫った。5回には右前2点打を放ち、打点はリーグトップの33まで伸びた。

 17年目の今季。開幕から10試合で5本塁打を量産した。だが、好調の裏で、体は悲鳴を上げていた。両足の太腿裏はパンパンに張り、ユニホームの下はテーピングがグルグル巻きになっている。「何とかやっていくしかないからね」と定期的に休養をもらいながら、4番に座る。

 4月下旬には調子を崩した。「バットが出てこない」と漏らしたこともあった。浮上のきっかけは、1本の安打だった。5月3日のDeNA戦(東京ドーム)の8回無死二塁の好機で、構えをコンパクトに変えた。「セカンドゴロを打てばいいやって。そうすれば進塁打にもなるし」。結果は中前タイムリーとなり「あの1本で救われた」。浮上のきっかけは、もがきながらつかんだ。10日の阪神戦(東京ドーム)で久々の一発を放つと、最近4試合で3本塁打と息を吹き返した。

 前カードの広島戦(マツダ)では投打がかみ合わず、2―11、1―8の大敗。「負けを引きずってもしようがない。切り替えて(カードの)頭を取るつもりでスタートした」。だからこそ、第1打席では結果にこだわった。初回の先制弾に、高橋監督は「嫌な空気を変えてくれた」と称えた。

 菅野と上がったお立ち台。インタビュアーの質問に「堅いですね、インタビューが」と笑いを取った後、「最高でーす」と決めた。ファンとのハイタッチを終えベンチ裏に下がると「(NHKの)サンデースポーツみたいに堅かったからね」と豪快に笑った。この日の2安打で通算2000安打まで48本。満身創痍(そうい)でも、4番打者の集中力に衰えはなかった。 (川島 毅洋)

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