巨人・岡本 初づくし甲子園打 智弁学園時代2発放った舞台で大暴れ

[ 2017年4月8日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人5―3阪神 ( 2017年4月7日    甲子園 )

<神・巨>初回2死満塁、岡本は左前2点打を放つ。投手・岩貞
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 小雨降る中のヒーローインタビュー。甲子園で放ったあの2発から3年がたち、巨人・岡本の顔は精かんさを増した。

 「チャンスだったのでなんとか積極的にいこうと思った。狙うべき球を1球で仕留められた」

 初回、マギーの左前適時打で先制した直後だ。なお2死満塁。左腕・岩貞のカットボールを引っ張った。打球は三遊間を抜ける左前2点適時打。若武者は珍しく右拳を小さく握った。

 1年目の甲子園は2打数無安打だったが、2年ぶりの聖地で今季初打点。智弁学園3年時の14年、センバツ1回戦の三重戦で大会記録に並ぶ1試合2本塁打し、松井秀喜(星稜)、中田翔(大阪桐蔭)らに肩を並べた。プロ入り後2試合目の聖地は「別物です。(プロとアマでは)全然違う」と言うが、5回にも中前打し、プロ初マルチ安打も記録するなど、やっぱり甲子園は気持ちいい。

 昨年は重圧に負けた。初参加した1軍春季キャンプで、ガイドブックの表紙を見つめながら「何でここに僕が載っているんですかね」と困惑。就任1年目の高橋監督を阿部、内海、長野、坂本、菅野が囲み、自身の姿も中央にあった。当時高卒2年目で1軍出場は通算17試合。「まだ僕は何も結果を出していないのに…」と周囲の期待に苦しんだ。オープン戦は打率・164。開幕直前に2軍降格を告げられた。

 今季は重圧をはね返した。オープン戦で一時は打率・190まで落ちながら、「昨年は昨年」と2軍降格も寸前と思われた3月23日の日本ハムとのオープン戦(東京ドーム)で、起死回生の代打バックスクリーン弾を放ち、開幕スタメンをつかみ取った。

 この日も崖っ縁だった。試合前の打率は・100で、5、6日のDeNA戦(横浜)はスタメン落ちしたが、「自分が出たらこうしよう」とイメージを膨らませ、開幕戦以来、10打席ぶりの安打につなげた。高橋監督は「チームにとっても大きいですし、これを自信にもっと頑張ってほしい」と期待する。前夜に開幕5連勝が止まったばかりだが、岡本の活躍で連敗はしなかった。「結果を残して、食らいついていきたい」。未来の4番が確実に成長している。 (神田 佑)

 ▽岡本と甲子園 智弁学園では3年時に春夏連続出場。春は1回戦・三重戦で大会史上19人目の1試合2本塁打を放ったが、2回戦で佐野日大(栃木)に4―5でサヨナラ負け。夏は1回戦で明徳義塾(高知)と対戦。2安打1打点の活躍を見せたが本塁打はなし。4―10と大敗し、高校通算73本塁打のまま最後の夏を終えた。

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