糸井“霧雨”で打球見失い先制許す 金本監督「楽勝でアウトだと」 

[ 2017年4月8日 06:05 ]

セ・リーグ   阪神3―5巨人 ( 2017年4月7日    甲子園 )

<神・巨>初回1死満塁、マギーの打球を糸井(右)が見失い、高山が追うも捕れず
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 阪神は7日、宿敵の巨人を迎えた甲子園開幕戦に3―5で敗れた。猛虎戦士として本拠地に初見参した糸井嘉男外野手(35)は2安打で奮闘した一方、打率10割を誇っていた得点圏では10打席目で初めて凡退して開幕からの連続打点が6試合で止まった。霧雨の悪天候で視界も悪く、初回1死満塁からの守備では中堅左への飛球を先制打にする場面もあり、悔しさをかみしめる初の“伝統の一戦”になった。

 4万6214人の大観衆を集めた甲子園開幕戦。タテジマのユニホーム姿では初見参になった糸井が思わぬ視界不良!?に見舞われた。試合前から降った断続的な雨。しかも粒の小さな霧雨で、煙ったような空気に包まれた。初回1死満塁。マギーの飛球が中堅左へ。軽快に映った動きからは捕球は確実に見えた。

 ところが…。

 捕球態勢を解き、打球は約2〜3メートルも後方へ落下。バックアップに走っていた左翼の高山が処理に動いた。「何が起きたのか、俺も見えなかったけど…。楽勝でアウトだと、捕ったものだと思っていた」。金本監督が首をひねり、中村外野守備走塁コーチも「本人に聞いて。あの打球は高山は無理だからね」と糸井の守備範囲内だったことを示唆した。ただ、本塁へ戻ってきたのは三塁走者の立岡だけ。攻撃していた巨人側にとっても“消えた”打球だった。

 右膝負傷からのリハビリ過程だった3月のオープン戦期間で甲子園球場では出場はなく、中堅守備はシートノックと打撃練習の打球を追って確認しただけ。昨年の交流戦でナイター経験はあっても天候は曇。慣れている他の選手でさえ、試合前のシートノックでは視界に苦慮するしぐさを見せる場面もあり、初めて経験するであろう霧雨けむる甲子園は、さしもの超人といえど初見参の舞台としては厳しい条件だった。

 負の流れは打撃にも影響したのか。直後に巡ってきた初回1死二塁の好機では三邪飛。4打数4安打4四死球1犠飛で打率10割を誇っていた得点圏打席で初めて凡退した。4回はマイコラスの147キロ直球を巧みに流し打って左前打。さらに6回には無死一塁からの右前打で好機を拡大して反撃の得点につなげた。5日のヤクルト戦(京セラドーム)以来、2試合ぶり複数安打で気を吐いた一方、開幕からの連続打点は6試合で止まった。

 初めて挑んだ“伝統の一戦”に敗れ、帰途では「まだアイシングがあるから…」と足早にクラブハウスへ引きあげた。攻守両面で悔しい一戦になったことは想像に難くない。キャンプ前から「ファンがすごい印象。きれいな天然芝やし、大好きですね。早くプレーしたい」と心待ちにしていた聖地での戦い。8日こそ所狭しと躍動する雄姿を虎党に届けてくれるはずだ。(久林 幸平)

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