阪神・原口 人生初サヨナラ弾 どや顔決めたった「最高でーす!」

[ 2017年4月7日 05:50 ]

セ・リーグ   阪神5―4ヤクルト ( 2017年4月6日    京セラドーム )

<神・ヤ>延長11回無死、原口は左越えにサヨナラ本塁打を放ちバットを放り投げる
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 阪神は6日、ヤクルト戦(京セラドーム)でサヨナラ勝ちし2連勝で勝率5割に戻した。同点の延長11回無死、一塁で先発出場を続ける原口文仁捕手(25)が左越えに自身初となるサヨナラアーチを放ち、4時間6分の激闘に終止符を打った。

 走る必要はなかった。延長11回。先頭で打席に立った原口は、カウント2ボール1ストライクから杉浦の142キロ真ん中直球を完璧に捉えた。その瞬間、バットを両手で高く掲げて左翼スタンド3階席に着弾した打球を見守った。今季1号は人生で「初めて」というサヨナラ弾。今季初のお立ち台で「最高でーす!」と、勝利の雄叫びを上げた。

 「打った瞬間、完璧でした。うれしいの一言です。ピッチャーが頑張ってくれていたのでなんとかしたいと思っていた。(杉浦は)真っすぐが良い投手。振り負けないように、強い打球を打つイメージでした」

 打率・429が示すように開幕から好調を保っているが、悩みながら迎えたシーズンだ。昨季終了後から受けてきた金本監督の指導では、右手のグリップの握り方に変化をつけるよう勧められた。一目では分からない微妙な変化で、すぐに教えを吸収することはできず。「監督から教わっていること、どこを意識すれば、うまくできるかな?」と春季キャンプ中、同じく指揮官の指導を受ける年下選手にプライドを捨て教えを請うたこともあった。可能な限りヒントを探り、時間を見つけては鏡と向き合い素振りを重ねた。現段階の手応えは「まだまだこれからですよ」と話す。その言葉は、慢心しない性格だからこその自己分析だ。

 こだわりを持ち続けてきた捕手から一塁に転向。周囲やメディアから「一塁なら去年より打たないといけない」と言われるが、そんなことは百も承知。だからこそ現状に甘えず、高みを求め続けている。

 「(開幕前に比べて)確かに軸がぶれなくなった。見逃した時も。テークバック、ステップ、振る、という時に。オープン戦の時は頭が動いていたけど、開幕して、いきなり動かなくなった」。金本監督も劇的な一打を放った教え子の成長ぶりに目を細めた。

 チームでは15年5月27日楽天戦で福留が放って以来のサヨナラ弾。最高の形で2連勝に導き勝率を5割に戻した。「今日は良い形で終われた。甲子園でも勢いをつなげていきたい」。ヒーローインタビューは、お決まりとなった「必死のパッチで打ちました!」で締めた。7日からは宿敵巨人との3連戦。本拠地に戻り、原口の勢いはさらに加速しそうだ。(巻木 周平)

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2017年4月7日のニュース