巨人・相川 捕手同士でデータで見えない情報を共有「個人捨てチームに徹して」

[ 2017年2月4日 09:40 ]

歴代侍の金言 巨人・相川亮二

13年WBCのブラジル戦でスタメン出場し、田中(右)とマウンドで話す相川
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 相川には忘れられない一戦がある。4年前の第3回大会、ブラジルとの開幕戦。第1回大会と合わせてWBCに2度出場したが、スタメンで唯一起用された試合だ。日本は1点を追う8回に3点を奪って逆転勝ちを収めたが「格下」相手に薄氷の勝利だった。

 「間違いなく日本の方が力があったのに、競った試合になった。ミーティングをしても、どれだけデータを見ても、不安はあった。実際のプレーを見てみないと分からないから」。国際大会の怖さを知った一戦だった。

 WBCでは控え捕手ならではの役割を果たしてきた。スコアラーが集めたデータを基に、自らの目で対戦相手の試合を視察。「ビデオだけ見ても、雰囲気は感じられない。ネット裏から見ていれば“ここのコースをこういう形で打ったな”とかが分かる。生で見ることが大事」と力説する。

 第1回大会は里崎、第3回大会は阿部がチームの正捕手。ベンチでは冷静に打者を分析し「“この打者はここが弱いよ”とか、ブロックサインで伝えたり、自分が試合に出たときは出してもらっていた」と捕手同士で情報を共有しながら、相手打線を封じた。

 日本では考えられないプレーも、数多く目にしてきた。第1回大会決勝で戦ったキューバを例に挙げ「“なんだこの野球は”ということをやってくる。ボークギリギリのけん制とか、危ないスライディングとか。それくらい勝ちに対して執念を持ってやっているんだなと感じた」。あらゆることを想定し試合に臨むことが、侍ジャパンの勝利の鍵だという。

 今大会は巨人から捕手の小林が選出されている。「自分がどうやってチームに貢献できるかを考えてほしい。個人を捨ててでもチームに徹してほしい」とエールを送った。 (川島 毅洋)

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2017年2月4日のニュース