野球界と競馬界“未来のスター”が交流 待ち遠しいともに主役を張る日

[ 2017年2月4日 11:00 ]

日本ハム新入団選手・競馬学校交流会で木馬にまたがる郡拓也(右手前)を応援する(後列左から)木幡育也、富田暁、武藤雅、横山武史、川又賢治、高山優希、今井順之助
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 都心から電車で約1時間のベッドタウン、千葉県白井市。人口約6万3000人のこの街には、未来のジョッキーを養成するJRA競馬学校がある。7日には騎手課程33期生5人が卒業式を迎え、騎手としてスタートラインに立つ。

 1月19日、卒業を間近に控えた騎手課程33期生と、日本ハムの高卒新人の交流会が千葉県鎌ケ谷市のファイターズタウンで行われた。競馬学校のある白井市と、日本ハム2軍本拠地の鎌ケ谷市が隣接している縁で行われており、今年で10回目。日本ハムからは、ドラフト5位の最速150キロ左腕・高山(大阪桐蔭)ら3人、競馬学校からはJRA通算2643勝の横山典弘の三男・武史ら5人が参加した。

 日本ハムの3選手はまず、競馬学校で使用される訓練用木馬に試乗。最初に木馬にまたがり、前傾姿勢をとったドラフト7位捕手・郡(帝京)は即座に「ケツきつい」と悲鳴をあげた。野球の練習ではあまり見られない姿勢。強じんな下半身やバランス感覚がないと続けるのは難しそうだが、騎手候補生からは「いい感じ」と声があがった。

 続いて、騎手候補生がキャッチボールとトス打撃に挑戦。騎手候補生たちはすぐにコツを体得し、木製バットで硬球をスムーズに打ち返した。右利きの富田暁はキャッチボールで左投げに挑戦。それでも難なくこなし、郡を「凄い(フォームが)きれい」と驚かせた。お互い他競技にすぐに適応できるのは、さすがアスリートと言うべきだろう。

 交流会後、郡は「競馬は馬が勝手に走っているという感じで難しいイメージはなかったが、体験してイメージが変わった」と振り返った。一方、野球を初体験した横山も「野球選手は僕らとガタイが違うが、バランスや体幹がしっかりしているところは凄い」と、同世代から大いに刺激を受けたようだ。

 現在、日本ハムの高卒新人は沖縄・国頭(くにがみ)での2軍キャンプで汗を流す日々。一方、騎手課程33期生の5人は、順調なら3月上旬に騎手デビューする予定だ。プロデビューは横山らの方が一足早いが、郡は「足と肩には自信がある。自分をアピールして早く1軍に上がれるようにしたい」と誓う。ドラフト9位の内野手・今井(中京)が「いつか(33期生の)レースを見に行きたい」と話すように、競技は違えど、お互いの存在は励みになっているはずだ。彼らが野球界と競馬界で主役を張る日が待ち遠しい。(記者コラム・原田 真奈子)

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2017年2月4日のニュース