ダル父ファルサ氏 入国禁止の大統領令「残念」試合応援に影響も

[ 2017年2月4日 07:40 ]

ダルビッシュ(左)と、父のファルサさん
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 大リーグ・レンジャーズのダルビッシュ有投手(30)の父で、イラン出身のファルサ氏(56)が3日、米国の大統領令について「非常に残念」などと率直な思いを語った。トランプ氏の大統領令はイランを含む中東・アフリカのイスラム圏7カ国からの入国を一時禁止するもの。試合観戦などのために毎年渡米するファルサ氏にも、影響を与える可能性がある。

 トランプ氏の大統領令について、現在、神戸に住んでいるファルサ氏は「この件について非常に残念に思います。一日でも早く、この大統領令が無効化されることを願っております」と語った。毎年、我が子の試合観戦やサポートのために渡米。ダルビッシュが右肘のじん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)から14カ月ぶりに復帰し、レンジャーズの2年連続となるア・リーグ地区優勝に貢献した昨年も、仕事の合間を縫って9月下旬に米国を訪れた。しかし、現状では入国できない可能性が十分にある。

 ファルサ氏はイランの首都テヘラン市出身で、プロサッカー選手を目指して渡米。フロリダ州セントピーターズバーグにあるエカード大に留学した。そこで出会った郁代さんと後に結婚し、生まれたのがダルビッシュ。ファルサ氏が米国に渡らなければ、ダルビッシュが日米球界を沸かせることもなかった。

 「世界の平和のためには、人と人との交流と理解を増やすことが大切だと私は考えております」とファルサ氏は力説した。その信念を反映すべく、13年に神戸市内にオープンした右腕の記念館「ダルビッシュコート」の最上階にはイベント場を開設。洋の東西を問わず、さまざまな国際交流イベントを手掛けている。

 レンジャーズの地元紙「ダラス・モーニング・ニューズ」は、ファルサ氏が入国できずに息子を応援できない可能性があると報じた。同紙によればレ軍は、21歳までイランとの二重国籍で、07年秋に日本国籍を選択したダルビッシュ本人にも大統領令の影響が及ばないか再確認する方針という。ファルサ氏は「今回の大統領令では、本当の世界の平和を実現することはできないと思います」と強く訴えた。悲痛な叫びが、トランプ大統領に届くか。

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2017年2月4日のニュース