侍小久保監督 苦渋の決断…大谷代役はソフトB武田最有力

[ 2017年2月4日 05:30 ]

西武キャンプの視察中に険しい表情を見せる侍ジャパン・小久保監督
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 覚悟を決めたかのように、侍ジャパンの小久保監督は前を向いていた。大谷不在。世界一奪回を目指す侍ジャパンにとって、その痛手の大きさは計り知れない。宮崎・南郷で西武キャンプを視察後、会見に応じた指揮官は声に力を込めた。

 「前に進むしかない。翔平がいなくなった分、チームの結束が高まることを期待している」。この日までに、米国滞在中の大谷とは国際電話で直接、連絡を取った。「28人の登録枠から外すから」「力になれず、申し訳ありません」――。「本人と話した上で、2人の納得、同意があった」と小久保監督。2人にとって苦渋の決断だった。

 日本時間1日に、日本ハム側が大谷の「投手として出場辞退」の意向を表明。当初、小久保監督は「今聞いたばかり。詳細を全く把握していない」と話すなど、日本代表と日本ハム球団の間には見解のズレが生じていた。その後、日本ハムはNPB事務局長宛てに痛めている右足首の詳細なメディカルリポートを提出。メールでの状況報告なども行った。

 「全て情報はあげています。綿密に連絡を取り合って、全面的に協力します」(日本ハム・吉村浩GM)と、双方で大谷の現状を確認した上で出場可否について調整を続けた。登録メンバーの締め切りは日本時間7日。残された時間が少ない中、2日間で「打者でもNO」の結論に至った。

 WBCには「投手13人以上を登録」の規定がある。大谷が抜け、現状で投手は12人となった。代わって先発投手として追加招集されるのは、ソフトバンク・武田が最有力。14年日米野球、15年プレミア12にも出場しており、経験も豊富だ。「(世界一という)目標、目指すところは全く変わらない」と小久保監督。もう、時間は戻せない。日本球界が誇る二刀流を欠いて、侍ジャパンは苦難を覚悟した航海に出る。

 ▽WBC日本代表の離脱者と代替招集 06年の第1回では大会開幕前の2月24日、12球団選抜との壮行試合(ヤフードーム)で広島・黒田が右手を負傷。メンバーから外れ、阪神・久保田が追加招集された。2次ラウンド開始前にはヤクルト・石井弘が左肩の違和感を訴え、ソフトバンク・馬原が緊急渡米して合流した。09年の第2回では3月19日の2次ラウンド韓国戦(サンディエゴ)で横浜・村田が右太腿裏を肉離れし、無念の途中帰国。準決勝から広島・栗原が加わった。

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