阪神ドラ1大山は超自在 豪快だけじゃない!魅力たっぷり

[ 2016年10月23日 09:20 ]

関甲新学生野球 ( 2016年10月22日    上武大ほか )

<白鴎大・新潟医療福祉大>4回1死三塁、大下の左前適時打で生還した白鴎大・大山
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 阪神からドラフト1位指名を受けた白鴎大・大山悠輔内野手(21)が22日、関甲新学生野球リーグ第8節、新潟医療福祉大戦(白鴎大)に「4番・三塁」で出場し、2打数1安打1四球の活躍を見せた。同じく、2位指名の富士大・小野泰己投手(22)は、東北地区大学野球代表決定戦の福島大戦(仙台市民)に先発し、自己最速タイの152キロを計測するなど7回4安打1失点の快投。猛虎期待の新人2人が、そろって能力の高さを示した。

 虎の「ドラ1」は剛と柔を兼ね備えていた。ドラフト指名後初の実戦。多くの報道陣や観客の視線を浴びるなか、即戦力野手としての能力の高さを示した。2回先頭で打席に立つと、追い込まれてからの外角142キロ直球に対応。巧みなバットコントロールから放たれた鋭いライナーは右線への二塁打となった。大山の“虎初安打”で火のついた打線は5回までに12点を奪う猛攻。大勝の起点を築いた4番打者は、充実感を漂わせた。

 「たくさんの方々が注目してくださっているなかでの一戦だったので、自分の力をいつも通り、100%出せるようにと思っていました。チームの勝利のためにと思って臨んだので、貢献できてよかったです」

 右の長距離砲として期待のかかる新人だが、対応力や柔軟性も一線級だった。2回の右線二塁打の打席では、2ボールから2球続けて甘い真っすぐをファウル。力みから仕留めそこねたが、続く5球目にはコンパクトなスイングに切り替えて安打にしてみせた。5回の第4打席では無死二塁から投ゴロに倒れたが、カウント2―2からの内角の厳しい直球を、強引に一塁方向への進塁打にしようとした結果だった。

 柔軟なのは打撃だけではない。前日21日に金本監督から二遊間で試す方針を示されたが、大山は「捕手以外は全て守ったことがあります。言われたところでやっていきたい」と胸をはる。つくば秀英高時代には1年時から二塁の定位置を獲得。今春は本職ではない遊撃で2試合先発出場した経験もある。この日も2つのゴロを軽快に処理。1メートル81、85キロの体格ながら、どこでも守れる、ユーティリティープレーヤーという一面もある。

 この日の勝利でチームはリーグ2位が確定。31日から始まる関東地区大学野球選手権(横浜)への出場権を得た。「気持ちはすでに関東大会。この期間で技術が上がることはないと思うので、スキや油断のないチームにしていきたい」と主軸としての自覚ものぞかせた。 (巻木 周平)

 ◆大山 悠輔(おおやま・ゆうすけ)1994年(平6)12月19日、茨城県生まれの21歳。つくば秀英では甲子園出場なし。白鴎大では1年春から三塁手で出場。50メートル走6秒2。遠投110メートル。背筋力205キロ。握力右57キロ、左55キロ。

 ▼阪神のユーティリティープレーヤー 真弓明信は79年の移籍時は遊撃手。内野はどこでもこなし、85年は右翼手として優勝に貢献。クラウン時代の77年にはバッテリーと一塁を除く6ポジションで先発を経験している。岡田彰布は新人の80年、三塁手の46試合を筆頭に内野4ポジションで先発。10年にオリックスから移籍した平野恵一は二塁手と外野手で併用され、どちらも高いレベルの守備力を誇った。

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