カブスファン あの事件は過去のもの「彼にワールドシリーズ始球式を」

[ 2016年10月23日 15:07 ]

2003年のナ・リーグ優勝決定シリーズでカブスの左翼・アルーの捕球を観客席のバートマンが妨害する (AP)
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 カブスがワールドシリーズ進出を決めた瞬間、スティーブ・バートマンは何を思っただろうか。少なくとも、カブスファンはあの忌まわしい過去を忘れてくれそうだ。

 スティーブ・バートマン事件。それは2003年のナ・リーグ優勝決定シリーズ第6戦で起こった。カブスはマーリンズとの同シリーズに3勝と王手。第6戦は勝利すれば、1945年以来のワールドシリーズ進出が決まる試合だった。

 3―0とカブスがリードして迎えた8回、マーリンズのカスティーヨが放ったファウルフライを処理しようと、カブスの左翼・アルーがフェンス際でタイミング良くジャンプ。ボールはそのままグラブに収まりそうだったが、直前に最前列の席にいたバートマンが手を伸ばし、捕球の邪魔をしてしまった。この捕球妨害で試合の流れが変わり、カブスは逆転負け。翌日の第7戦も落として「ヤギの呪い」を解くことができなった。

 カブスファンの怒りの矛先はバートマンに向けられ、その後もチームが勝てないたびに、スケープゴートにされる始末。しかし、もう不当な扱いを受けることはなさそうだ。カブスは71年ぶりのワールドシリーズ進出を決め、たくさんのファンが自身のツイッターでバートマンについてこうつぶやいている。

 「身を隠す必要はない。自分はいつも彼を気の毒に思っていた。みんなも同じだと思う」、「彼がいま笑ってくれていたらいいな」、「バートマンよ。いまどこにいようとも、この瞬間を楽しみたまえ。君に罪はない」、さらに次のツイートは印象的で、同じ内容が複数見られた。「彼にワールドシリーズの始球式をやってもらおう」。

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2016年10月23日のニュース