マー雷雨に消えた12勝 中断で初の「水入り降板」

[ 2016年9月1日 05:30 ]

ロイヤルズ戦で5回2失点だった田中(AP)

ア・リーグ ヤンキース5―4ロイヤルズ

(8月30日 カンザスシティー)
 ヤンキース・田中将大投手(27)は30日(日本時間31日)、ロイヤルズ戦に先発したが、メジャー初の「水入り降板」で今季12勝目が消えた。5回まで4安打2失点で4―2とリードしていたが、雷雨で59分間の中断。そのまま勝利投手の権利を持って降板したが、救援投手が同点に追い付かれた。ただチームは延長10回の末に競り勝ち。連敗を2で止め、ワイルドカード争いに踏みとどまった。

 9番モンデシーを空振り三振に斬り、田中が5回を投げ抜いて勝利投手の権利を手にした。それを待っていたかのように突然の豪雨が襲った。4―2の時点で中断。集中力は失わず続投の準備を続けたが、雷鳴がとどろき、約30分後に首脳陣から交代を告げられた。

 「特別良くはなかったが雨さえ降らなければまだイニング、アウトを稼げたとは思いますけど。しようがないと割り切れる部分はあります」。大リーグでは40~45分以上の中断は、肩が冷えてしまうため投手を交代させるのが一般的。59分後に再開したが、救援陣がリードを守れず同点とされ、14年5~6月に記録したメジャー自己最長に並ぶ5登板連続白星は消えてしまった。

 試合は延長10回の末に競り勝った。先発として試合をつくり、連敗ストッパーの役割は果たした。3回にダイソンに右中間適時三塁打、4回にモラレスに右越えソロと、ともにスライダーの失投を捉えられ、連続イニング無失点は17回2/3で途切れた。ただ最近19戦を16勝3敗と勢い付く昨季世界一打線を、その2失点以外はほぼ危なげなく封じた。「悪いなりにできる投球のレベルが、シーズン序盤とは違う」。チームが連敗中に迎えた先発は今季12試合目で6勝1敗、防御率1・82。チーム自体は10勝2敗となり「ワイルドカードを争うチームと戦い、連敗せず勝ちを拾えたのは良かった」とチームの勝利こそが何よりだった。

 「(雨は)自分にコントロールできることじゃない。少し早く降りて休養をもらったという感じで切り替えて。次はバシッともっといい投球をできれば」。プレーオフ進出へ踏みとどまらせ、毅然(きぜん)と次へ視線を向けた。(後藤 茂樹)

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2016年9月1日のニュース