ライアン完封で3位に1・5差 逆転CSへ急接近

[ 2016年9月1日 05:55 ]

<巨・ヤ>スタンドの声援に応える小川

セ・リーグ ヤクルト4-0巨人

(8月31日 富山)
 140キロ後半の直球は球速以上の威力でうなりを上げた。ヤクルト・小川が3回1死二塁のピンチで坂本を内角高めの直球で空振り三振。珍しく雄叫びを上げるほど充実していた。4回以降は散発2安打と127球の熱投で今季初完封勝利。自身初の3試合連続完投勝利で8勝目に、「気持ちを込めて腕を振って投げた。チームが勝ったことが一番です」と汗を拭った。

 試練の日々を乗り越え、輝きを取り戻した。4カ月前の5月初旬。審判団から球団を通じ、小川の投球フォームが「禁止されている2段モーションに抵触している時がある」と伝えられた。「映像を見ると(投球動作で上げた左足が)止まっていたかも…」と反省したが、シーズン途中で受けた異例の通達に戸惑いを隠せなかった。フォームの修正で手いっぱいになり、打者と勝負できなくなった。生命線の直球が走らず、5月から7月までの3カ月間でわずか1勝。それでも腰痛も我慢して投げ続け、新しいフォームを構築。躍動感と球の強さを取り戻した今月に入り白星を重ねた。真中監督も「8月に入って球も安定してきた。本当に頼もしい」とねぎらった。

 8月は4勝0敗、防御率2・08。月間MVPの最有力候補となったが、もっと大きな目標がある。3位・DeNAが敗れて1・5差に接近。「3位も見える位置になった。チーム一丸となって一戦一戦頑張りたい」。逆転CS進出へ。完全復活したエースがフル回転する。(平尾 類)

続きを表示

2016年9月1日のニュース