クサ~い“事件”あったけど…巨人・ギャレットに感じない「外国人臭さ」

[ 2016年9月1日 11:10 ]

8月20日の阪神戦の8回無死、藤川からバックスクリーンへ20号ソロを放つ巨人・ギャレット

 巨人・ギャレットが21年ぶりの快挙を成し遂げた。日本人のような生真面目さ。日本のプロ野球になじむ努力が、シーズン中盤から実っている。

 「日本の野球に合わせるようにやってきた」。8月20日の阪神戦(東京ドーム)で20号ソロを放った際の言葉だ。来日1年目の外国人選手が20本塁打を記録したのは、巨人では95年のシェーン・マック以来。現在も、その本数を伸ばしている。

 凡退となっても、一塁への全力疾走を怠らない。1メートル96、107キロの巨体ながらヘッドスライディングだってする。メジャー通算122本塁打の主砲は極度の不振で5月23日から約2週間、2軍生活を送ったが、腐ることなく懸命にバットを振り込んだ。日本特有の緩い変化球に対応するため軸足に体重を残し、溜めをつくることを意識。バットも内側から最短で出せるようになった。6月10日に1軍に戻ってからの打率は3割前後をキープし、15本塁打(30日現在)を放っている。

 報道陣への対応にも人柄を感じる。2軍落ちする直前は連日、不振の理由を問われた。プロ野球選手だって人間だから、答えたくない時や、腹が立つことだってあるだろう。ギャレットはそんな様子を微塵も見せなかった。足を止め、辛らつな質問にも丁寧に答えた。ベンチでは首をかしげながらバットを手に、何度もスイングを確認していた。外国人選手特有の「外国人臭さ」を感じさせない。

 そんなギャレットが「臭い」ことがあった。夏場の甲子園での試合後、ベンチ裏の通路で囲み取材を始めると、すぐに「異変」に気付いた。とてつもない臭い。着ていたシャツからだろうか…。例えるなら汗だくになった衣類を、生ゴミの中に10日間放置しておいたような強烈なクサさ。ギャレットは申し訳なさそうに言った。「ソーリー、クサいですよね。凄い臭いですね。ごめんなさい」。何の臭いだったのか不明だが、距離を置いて立っていた報道陣は思わず笑い、一気に場が和んだ。(記者コラム・神田 佑)

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2016年9月1日のニュース