【関本賢太郎の視点】球児 先発時より数段ボールが良かった

[ 2016年5月19日 07:55 ]

<神・中>日本球界復帰後に初セーブを挙げた藤川

セ・リーグ 阪神3-2中日

(5月18日 甲子園)
 阪神にとっては内容の濃いナイスゲームでしたが、特筆すべきは石崎、球児の投球でしょう。

 6回のピンチを切り抜けた石崎には、強いハートを感じることができました。ビシエドに対し、怯むことなく、パワーで押し切りました。向かっていく姿勢というのは、今のタイガースに必要な部分。選手としての原点というか、凄く良いものを見せてもらいました。

 投手としての長所は150キロに迫るストレートです。打者にとって一番嫌な投手というのは、ストライクゾーンで勝負できるタイプ。かわす投手であれば、その誘いにさえ乗らなければ、逆にこちらが有利に勝負を運べます。ですが、ストライクで空振りを取れるピッチャーは、そのボールを打つしかない。特にビシエドは誘いに乗るような打者ではありませんから、石崎のようなパワーピッチャーかシュートのある投手が適任でした。そういう意味では8回のピンチで空振り三振を奪った安藤さんも、徹底的にシュートを投げきれたことが勝因でしょう。

 抑えで役割を果たした球児も、先発時よりボールは数段良かったです。ストレートで空振りを取れていましたし、そのストレートはまだまだ良くなるはず。先発のようにペース配分を考える必要がありませんから、球児自身も手応えを感じる一戦になったのではないでしょうか。

 最後に一つだけ、反省点を書いておきます。2勝目を挙げた横山ですが、送りバントの拙さが目につきました。先発で勝てる投手はバントも上手で、ただ投げられるだけでは務まらないポジションです。先発ローテを任される力はあるだけに、今後は余計にバントの重要性は増す。勝ったときこそ、しっかり反省してほしいと思います。(スポニチ本紙評論家)

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2016年5月19日のニュース