清原被告号泣は未熟さの表れ…臨床心理士が分析「甘える相手を切望」

[ 2016年5月19日 08:00 ]

初公判で泣きじゃくった清原和博被告

 約2時間にわたって泣き続けた17日の初公判について、臨床心理士は清原和博被告(48)の未熟さを指摘した。

 「番長」の“号泣法廷”は世間に衝撃を与えた。臨床心理士の矢幡洋氏は「元々潜んでいた未熟さが表れた」と指摘した。

 清原被告は初公判で2時間泣き通した。情状証人として親友の佐々木主浩氏が出廷してくれたことに対して「ううう。本当に申し訳ない気持ちで…」と泣きじゃくり、父洋文さんへ初めて書いた手紙について「ううう。許してください、と書いた」と声を詰まらせた。中2と小5の息子2人に会ったかという質問には、しばらく泣いて答えられず。「会いたいっす。ううう。会って謝りたい」と声を振り絞った。涙の量は審理が進むにつれて増えていき、終盤は人目をはばからず子供のように泣きじゃくった。

 矢幡氏は“号泣法廷”について「これだけ取り乱す裁判は普段あまり聞いたことがない。今まで番長という強いイメージで虚勢を張っていたが、未熟さを隠し持っていた」と感想。番長の涙に潜んだ心理状態を「寂しさから独り立ちできず、依存できる対象を求めていた。甘えられる人間関係を切望していたことから、公判で家族や仲間の好意的な言葉に触れるたびに感情が抑制できなくなっていった。依存心が込み上げていったことで、涙が止まらなくなっていったのではないか」と分析した。

 もう一点特徴的だったのが「空を見たり、風を感じたり、普段の生活をしたい」など詩的な言葉。矢幡氏は「ポエムのような表現は、現実から非現実的な空想の世界に逃れたいときによく使われる」と説明。清原被告の場合も「今のつらい現実から逃れたくて発した言葉が、他人にはポエムのように聞こえたのでしょう」と指摘した。

 ▽清原被告の初公判 紺色のスーツに青っぽいネクタイ姿で入廷。現在の職業は「無職です」と述べ、起訴内容を認めた。冒頭陳述では、押収された覚醒剤が検察官から提示された。「もういらないものか」と聞かれ「はい」と返答。弁護人が代読した父親の手紙を涙で聞き入り、情状証人の佐々木氏の「2回目はないと信じている」という訴えに、ハンカチを取り出して涙を拭った。覚醒剤を断つために「自ら命を絶つことばかりを考えていた」と告白。薬物断ちへ国の更生プログラムを受けることを視野に入れているとし「保護観察を付けてほしい」と自ら求めた。

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2016年5月19日のニュース