ダル敵地でも観客殺到 定員4709人球場に8488人!

[ 2016年5月19日 05:30 ]

<ミッドランド・フリスコ>マイナー登板4度目のダルビッシュ。5回・68球を投げ、6奪三振

テキサス・リーグ フリスコ11―8ミッドランド

(5月17日 ミッドランド)
 テキサスの田舎町が熱狂の渦に巻き込まれた。右肘手術からの復活を目指すレンジャーズのダルビッシュ有投手(29)が17日(日本時間18日)、傘下2Aフリスコの一員として敵地でのミッドランド戦に先発。公称収容4709人の球場に史上2番目に多い8488人が駆けつける中、5回を3安打1失点(自責0)と格の違いを見せつけた。あと1回のリハビリ登板を経て、順調なら27日(同28日)のパイレーツ戦でのメジャー復帰が有力だ。

 最速97マイル(約156キロ)の速球に驚嘆し、66マイル(約106キロ)のスローカーブにどよめいた。4度目のリハビリ登板にして初の敵地でのマウンド。それでも客席は背番号11のユニホーム姿が目に付き、ダルビッシュの一球一球に沸き返った。

 「子供たちも今日はいっぱいいたので。いいパフォーマンスができて良かったです」

 この日は「キッズデー」と銘打たれ、テキサス州内の多くの小中学生らが課外授業として観戦するため、試合開始は午前11時。前売り4000枚は早々に完売していたが、ダルビッシュ登板が発表されたこの3日間で追加前売り券が2000枚以上売れた。セキュリティ・バンク・ボールパークは平日の平均観客数は2000人前後で、公称収容は4709人(外野芝生席開放時は6696人)。それが8488人に膨れあがった。これは、ネーミングライツ導入元年の05年8月27日に社員の動員を図って記録した9108人に次ぐ史上2番目の大入りだ。

 慣れない試合開始時間に加え、前日まで30度近かった気温は17度まで下がった。「この気候で、朝も早くて。結構きついなと思った」。そんな難しい条件下でも、ダルビッシュは復帰へのステージをさらに1段階上げた。初回に捕逸の間に唯一の失点を許したが自責点はゼロ。3安打は全て単打で、追い込んでからは狙って復帰後最多となる6三振を奪った。前回12日はナイターで実質「中3・5日」ながら、予定の5回を68球で投げきった。「普通の実戦的な投球をした。ある程度はそれができた。いつでも(メジャーに)いける状態」と手応えは深まった。

 リハビリ登板はあと1回を予定。順調に行けば、27日(日本時間28日)のパイレーツ戦でのメジャー復帰が有力で、遅くてもその日からの本拠3連戦中には復帰できそうだ。人口約11万人の田舎町を熱狂させたダルビッシュの投球。メジャーのマウンドで躍動する勇姿をみんなが待っている。(後藤 茂樹)

 ▽ミッドランド市 レンジャーズの本拠地アーリントンから西へ約520キロ。10年時の人口は11万1147人で、日本では241番目の山形県酒田市の11万1170人とほぼ同じ。レ軍の元共同オーナーのジョージ・W・ブッシュ前大統領が幼少期を過ごした地として知られ、ローラ夫人の出身地でもある。2Aミッドランドはアスレチックス傘下で、14年には中島(現オリックス)がプレーしていた。

続きを表示

2016年5月19日のニュース