周平大逆転満弾で大興奮「奇跡です!」0―5の7回一挙7点

[ 2016年4月1日 05:30 ]

<中・広>7回1死満塁、高橋が右中間に逆転満塁本塁打を放ち、平田(左)、ビシエド(右)の出迎えに笑顔満開

セ・リーグ 中日9-5広島

(3月31日 ナゴヤD)
 本拠・ナゴヤドームの大歓声が、覚醒した11年ドラフト1位に降り注ぐ。起死回生の逆転満塁本塁打。お立ち台に上がった中日・高橋は興奮を隠せない。叫んだ。

 「奇跡です!とにかく強く振ろうと思い、必死に打ちました!」

 ジョンソンの前に6回無得点。だが、広島が継投に入った7回に一気に攻めたてた。遠藤の適時二塁打、さらに2つの押し出し四球で3―5。なおも1死満塁で、7番の高橋が打席に立った。

 2ボール。中田が投じた外角高めの直球を振り抜くと、打球は右中間スタンドへ飛び込んだ。「カウントも良かったし、直球一本で思い切り打った」。見事な狙い打ちで満面の笑みを浮かべてダイヤモンドを一周した。13年8月1日阪神戦(甲子園)以来2本目の満塁弾。前回は19歳6カ月で球団史上最年少のグランドスラムだった。翌14年、背番号は31から9。さらに昨年は「ミスタードラゴンズ」こと立浪和義の3を譲り受けた。球団の期待の表れだった。

 昨季もレギュラーに定着できなかったが、今季は春季キャンプから軸回転を意識して振る打撃フォームで、徹底的に振り込んできた。同じ三塁手のルナが広島に移籍。ベテラン森野との争いにも勝って、プロ5年目で初めて開幕スタメンの座をつかんだ。昨季までは好不調の波が激しく「打てなかったら守りでミスしたりした。切り替えていたつもりだけど、切り替えきれていなかった」と振り返る。今季は「今は同じ気持ちでいる」と不動心を心掛けている。目の前のことに集中し、打撃ではタイミングを合わせることだけを考える。それが、開幕から6試合連続安打という好結果に結びついている。

 2勝1敗で今季初のカード勝ち越し。殊勲の高橋に、谷繁監督は「甘い球を一振りで仕留めたところに価値がある。形がものになりつつある」と目を細めた。その22歳に慢心はない。「結果は出ているが、まだ始まったばかり」。将来を期待されてきた大器が花を咲かせ始めた。

 ≪今季両リーグ初満弾≫高橋(中)が今季両リーグ初の満塁本塁打。日本人打者の両リーグ満塁弾1号は、13年3月29日の本多(ソ)以来3年ぶりになる。高橋の満塁本塁打は13年8月1日阪神戦以来通算2本目。前回も2―3の6回に放った逆転弾で、2本続けて勝利打点となった。

 ◆高橋 周平(たかはし・しゅうへい)1994年(平6)1月18日、神奈川県出身の22歳。東海大甲府では1年夏から4番で高校通算71本塁打も甲子園出場なし。11年ドラフトで3球団競合の末に中日1位入団。1年目の12年にドラフト制後最年少の18歳4カ月でプロ1号。1メートル80、85キロ。右投げ左打ち。

続きを表示

2016年4月1日のニュース