マテオ劇場だ!開幕早々3イニング熱投&打席でフルスイングも

[ 2016年4月1日 05:41 ]

<ヤ・神>6番手で登板するマテオ

セ・リーグ 阪神6-6ヤクルト

(3月31日 神宮)
 「超変革」守護神だ。同点の9回から登板したマテオが来日最長となる3イニング、同最多61球を投げ抜いた。「負けなかったという方が(気持ちの中では)大きいかな。よく3イニングを頑張ってくれた」。激闘後の金本監督にもたたえられた力投で引き分けに貢献した。

 「(11回は)リードしていたから、“行ってくれ”と言われたので、“行ける”と答えた。ウインターリーグで3回以上、球数も投げたことはある。全然、疲れていないし、肩も問題ない。こういう展開で疲れたとは言っていられないだろう」

 開幕前のフル回転宣言にウソはなかった。「任されたところで投げる。そのために日本へ来たんだ」。開幕から、わずか6戦目にして守護神が3イニングを投げた。

 まさに“マテオ劇場”だった。9回先頭の川端を全球スライダーで3球三振。トリプルスリー男の山田、そして、畠山も伝家の宝刀スライダーーで蹴散らす圧巻の3者連続三振。昨季の首位打者、本塁打王、打点王の“3冠トリオ”を完璧に封じ込めた。

 延長10回、2死無走者で打順が回り、来日初打席。3球のファウルなど粘った末のフルカウント8球目、二飛に倒れた。打席での疲れが出たのか。直後の投球練習から、右手首付近を気にするしぐさを繰り返し、10回無死一塁では香田投手コーチが間を取った。

 勝ち越した直後の11回には四球とボークで1死二塁を招き、川端に同点の適時二塁打を右翼線へ浴びた。開幕から4試合目、オープン戦を通じて10試合目で初失点。山田にも四球を与え2死満塁塁のピンチだったが、荒木を遊ゴロに打ち取り、土俵際で踏ん張った。

 阪神の抑え投手の3イニング登板は14年10月12日、広島とのCSファーストS第2戦の呉昇桓以来だ。レギュラーシーズンでは06年7月30日のヤクルト戦で藤川が10回から投げた例があり、開幕直後の時期では異例。首脳陣の期待に応えた。「明日も投げることになれば、もちろん行くよ」。ヒゲ魔神の不敵な笑みが頼もしい。(湯澤 涼)

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