大谷“進化”の2戦連発!また逆方向、登板2日前の意義ある一発

[ 2016年3月31日 05:30 ]

<日・オ>6回、大谷が左中間に2試合連続本塁打となる2ランを放つ

パ・リーグ 日本ハム4―5オリックス

(3月30日 札幌D)
 進化の2戦連発だ。日本ハムの大谷翔平投手(21)が30日、オリックス2回戦(札幌ドーム)の6回に左中間へ2試合連続の2号2ランを放った。野手として今季初出場だった前日29日に続き、自身14年8月以来の2戦連発。投手としては1日のソフトバンク戦(静岡)に先発の予定で、これまで投手の調整を優先して欠場していた登板2日前に意義ある一発だ。試合はあと1点及ばずに敗れたが、二刀流の進化を見せつけた。

 また打った。札幌ドームに割れんばかりの大歓声が響く。2―5の6回無死一塁。打席に立った大谷は「内角寄りの球を狙っていた」。オリックスの先発・東明が投じたその内角寄りの直球。コンパクトに振り切ると、打球は左中間最深部へ勢いよく飛び込んだ。

 「ボールだけ振らないようにしていた。打った瞬間に入ったと思った」。1点差に迫る2号2ランは、14年8月28日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)、同29日のロッテ戦(東京ドーム)以来2年ぶりの2戦連発。さらに二刀流4年目で節目の通算20号だ。前夜と同じ逆方向への強烈な一発で進化を見せつけた。

 2年連続開幕投手を務めた25日のロッテ戦(QVCマリン)では熱投むなしく黒星。中6日を空け、あす4月1日のソフトバンク戦(草薙)で先発予定で、プロ1年目以外では初めてとなる登板2日前の打者出場だった。昨季までは蓄積疲労による故障のリスクを回避するために投手調整に充てていたが、心身の成長に伴って「二刀流ルール」を解禁。二刀流4年目で踏み出した新たな形に結果で応えた。

 昨季は投手で飛躍を遂げた一方で、打者としては低迷。「成績が出なかったというより、しっかり(打席の中で狙いを絞って)待てていなかった。それが納得できなかった部分」。大谷の言う「待ち」とはコース、狙い球を明確に絞って打席に立つこと。「待ち」ができるから、ボール球の誘いにも簡単にのらなくなった。ストライクゾーンに来た球を積極的にフルスイングする姿勢はこれまでと同じでも「4年目になって投手や配球のパターンが少しずつ分かってきた」。この日の一撃もそんな経験のたまものだった。

 だが、大谷の思いは違うところにある。1点を追う7回1死一、二塁で空振り三振に倒れたことに「チャンスで打てなかった。勝ちきれなかったら意味がない。反省したい」と悔しがった。試合前には、投手としてブルペンで約30球。あす1日のソフトバンク戦へ向けての調整だ。「打席に影響することは今までないし、(打席が)投球に影響することもない」と言い切った。プロ4年目の21歳。覚醒の時を迎えつつある。(柳原 直之)

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