広島ドラ2横山 初登板初先発初勝利「この1勝が始まり」

[ 2016年3月31日 05:30 ]

<中・広>初先発初勝利を挙げた広島・横山

セ・リーグ 広島11―3中日

(3月30日 ナゴヤD)
 度胸満点の新人が鬼門を打ち破った。広島のドラフト2位ルーキー・横山弘樹投手(24)が30日の中日戦(ナゴヤドーム)でプロ初登板初先発。7回2/3を投げ、3失点と持ち味の安定感を披露し、嬉しい初勝利をつかみ取った。昨年から続いていたナゴヤドームでの連敗も8でストップ。頼もしい右腕が、25年ぶり優勝を狙うカープ先発陣に加わった。

 少しだけ、悔しさの残るプロ初勝利だった。着実に回を重ねてきた横山に8回、最大のピンチが訪れた。2死満塁から杉山に押し出し四球。3点目を失い、回の途中で交代の指令が下った。

 「乗り越えていける投手じゃないといけない。次への反省ですし、成長していきたい」

 7回2/3を投げ、7安打3失点。立派に先発の役目を果たし、白星も手にした。だが、そこで満足することはなかった。

 持ち味を存分に出し尽くした。直球の最速は144キロながらカーブ、カットボール、チェンジアップなど多彩な変化球を駆使。徹底的に中日打線の打ち気をそらした。

 「初球から振ってきていたので、交わすだけではなく、直球を投げ切ることを心がけました」

 5回無死満塁の場面ではエルナンデスをカットボールで二ゴロ併殺。続く遠藤も同じ球種で二ゴロにしとめて最少失点にとどめた。奪った三振はわずかに2個。直球を十分に意識させ、変化球で凡打の山を築かせた。

 27日のDeNA戦(マツダ)でドラフト6位・オスカルが12球団の新人で一番乗りの勝ち星を挙げた。出場選手登録されていなかったため、球場のトレーニング室で試合を終了を見届けると、同1位・岡田と固い握手を交わして同期入団の勝利を心から喜んだ。

 「キャンプから、ほとんどずっと一緒にいて、本当にいい人なんです。いい刺激になります」

 試合後、ドラフト5位の西川も含め、4人で会食。28日がオスカルの誕生日だったため、日付が変わるのを待ち、各々がプレゼントを持ってサプライズで寮の部屋を訪れた。今度は横山が12球団の新人で一番乗りの先発勝利。4月1日巨人戦(マツダ)で初登板初先発する岡田に最高のバトンをつないだ。

 2回1死一、三塁ではセーフティースクイズを決め、初打席初打点もマーク。投打にわたる活躍で昨年から続いていたチームのナゴヤドームでの連敗も8で止めた。

 「ここからスタート。この1勝が始まりです」

 長く続いていくプロ野球人生。最高の形でその一歩目を踏みしめた。(桜井 克也)

 ▼広島・緒方監督(先発・横山について)相手を恐れず、打者に向かっていっていた。もう十分、合格、合格。気持ちよく、次も行ってもらいましょう。

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