阪神連勝ストップも…ヘイグ来日1号 家族の前で一発「嬉しい」

[ 2016年3月31日 05:30 ]

<ヤ・神(2)>4回1死、来日第1号ソロを放ったヘイグは、スタンドで観戦する家族を笑顔で指さす

セ・リーグ 阪神4―8ヤクルト

(3月30日 神宮)
 金本虎はただでは負けん!阪神は30日、ヤクルトに4―8で敗れ、連勝は3でストップしたが、新外国人のマット・ヘイグ内野手(30)がヤクルト戦(神宮)の4回に来日初アーチとなる左越え1号ソロ。9回にも左越えに二塁打し、マウロ・ゴメス内野手(32)の3号3ランへつなげた。2打数2安打で打率は5割ちょうど。助っ人の好調は頼もしい限りだ。

 ただでは負けなかった。連勝を3で止められても、ヤクルトに今季初勝利を献上しても、帰路に着く首脳陣やナインに重い空気はない。持ち前の巧打だけでなく豪打も見せつけた新助っ人のアーチが「超変革阪神」の明るい未来を予感させた。

 「カウントも有利だったし、甘いところに来たら積極的に強く打とうと思っていた。スタンドまで行くかどうかは微妙かなと思ったけど、行ってくれて良かったよ」

 0―1の4回1死の第2打席。3ボールからストライクを1球見逃し、5球目の真ん中のストレートを思い切り振り抜いた。黒い空に高々と舞い上がった白球は、虎党の待つ左翼席最前列に飛び込む1号同点ソロ。興奮気味にダイヤモンドを駆け抜けると、自身を応援するために初めて日本に訪れた母・テレサさん、弟・マイケルさんが観戦していた2階席を指差してニッコリと笑った。

 「家族の目の前で打つことができて良かった。米国でも、忙しいから毎試合来てくれていたわけじゃないけど、できるだけ来てもらいたいし、その中でホームランを打てたのは本当に嬉しい」

 家族が来日したばかりの27日には、京セラドーム大阪でのデーゲーム後に神戸市内の高級ステーキハウスで神戸牛をごちそうした。米国でもインターネットで出場試合を欠かさずチェックしているというテレサさんは「異国だから心配もあるけど、頑張ってほしい」と目を細めた。

 来日19打席目で飛び出した初アーチ。実はこの日を含めて計21打席、全82球で1度も空振りをしていない。驚異的なバットコントロールだが「悪い球も打っているのかもしれないし、必ずしも良いこととは限らないけど、それは知らなかったよ」と自身も驚いた。第4打席でも左越え二塁打を放ち、2四球も選んで2打数2安打、全出塁。オープン戦は打率・194で終えたが、開幕後はこれで打率5割となり、金本監督も「最後もいい当たりしたしね。オープン戦の時から比べたら別人になっている」と目を丸める大活躍だ。

 オープン戦の内容からすれば、3番の打順は期待を込めての「見切り発進」の部分もあったが、もう文句なし。高山、横田のフレッシュさも魅力だが青い目のナイスガイも「超変革打線」の主役の一人として抜群の存在感を放っている。(山添 晴治)

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2016年3月31日のニュース