広島キャンプ地・日南に「マエケンロード」 譲渡金から1億円寄付

[ 2016年2月24日 05:55 ]

広島からポスティング・システムを利用してドジャースに移籍した前田

 日南に“マエケンロード”ができる!広島は23日、キャンプ地の宮崎県日南市と沖縄県沖縄市にそれぞれ1億円ずつを寄付したことを発表した。

 ポスティングシステムでドジャースへと移籍した前田の譲渡金2000万ドル(契約時のレートで約23億6000万円)の一部で、松田元(はじめ)オーナー(65)は「これまでの恩返しというか、還元の意味を込めた。使い道は指定しないことにしているし、こだわらない」と話した。

 日南市は“マエケン特需”で地域活性化を図る。春季キャンプ地として1963年から広島を受け入れてきた同市は、寄付金の中から1950万円を使用し「カープ一本道整備事業」に着手する予定だ。天福球場から油津(あぶらつ)商店街へと続く市道を整備し、地区中心地への誘客を狙う計画で、来春キャンプをメドに完成させる。同市役所総務課は「たくさん来ていただいているファンの方と、選手の触れ合いの場にできれば」と構想を語る。

 同市は油津地区の活性化のため、あらゆる策を講じてきた。2013年には現地在住、3年9カ月の任期中に商店街に20店舗を誘致、出展させることなどを条件に月額90万円を支払う「テナントミックスサポートマネージャー」を公募。地道な活動で商店街は活気を取り戻しつつある。

 宿舎と球場の往復を自転車で通う選手も多く、“マエケンロード”が整備されれば、ファンは間近で選手と交流できる。街にとってもファンにとってもうれしい日南の新たな名所として注目を集めそうだ。また、同市は他にも移動公民館として約1000万円でマイクロバスを購入する。

 一方、沖縄市は寄付金の使途について検討を進めている段階。同市役所総務部秘書広報課は「大変ありがたい話です。高額なので、慎重に検討しているところです」とコメントした。広島球団は今後、譲渡金の一部で地元・広島市への還元、球団施設の充実化などを検討している。前田はメジャーへ旅立ったが、広島のエース右腕の痕跡は各地に刻まれていく。

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2016年2月24日のニュース