黒田 初フリー打撃登板40球で安打性ゼロ!新球に007警戒感

[ 2016年2月24日 05:30 ]

安部(手前)の打撃投手を務めた黒田は安打性0本と完璧に抑えた

 広島の沖縄2次キャンプ第1クール最終日の23日、黒田博樹投手(41)が打者に対して初めて投げた。小窪や堂林ら4人に40球を投げ、ヒット性はゼロ。習得中のチェンジアップも8球を投じ、ドラフト5位ルーキー・西川(王子)のバットをへし折るシーンもあった。本人は「現時点では武器にならない」と話したが、集結したセ・リーグの007は新球に警戒感を強めていた。

 開幕に合わせてか、黒田は昨春よりも2日早く打者に対して投げた。あくまで調整の初期段階。「内容的にはまだまだ。これから上げていかないといけない」。本人の自己評価も厳しめだが、十八番の「動く」ボールは今年も健在。好調な打者に打撃をさせなかった。

 とりわけ注目を集めたのがチェンジアップだ。「打者との距離感を変えたい」として、習得に励む新球。この日投じた8球中4球がボール球で、「現時点では武器になるような球じゃない」。制球面には課題を残すが、威力をまざまざと見せつけたシーンもあった。

 シュアな打撃と好守で猛アピール中の西川に投じた通算24球目。ルーキーのバットは折れ、力のないゴロは一塁方向に転がった。現状は試投の域を超えないとしても、黒田自身、その1球には手応えがあったようだ。

 「球種を伝えずに投げたので、打者も反応が難しいと思う。ただ、あれぐらい(距離感が)ズレれば、遅い球でもバットは折れる。そういうボールを考え、挑戦する以上はウイニングショットになるよう練習したい」

 コザしんきんスタジアムのネット裏には、ライバル球団のスコアラーが集結。仕上がりはもちろん、習得半ばの新球にも一様に警戒感を示した。ヤクルト・衣川スコアラーは「打者(の体)が前に出され、ゴロを打っていた。腕も振れていたということ。スゴくよかった」と舌を巻いた。

 緒方監督は打者目線で投球を見つめ、あらためて感じ入っていた。「球が動いているし、打ちづらいんだろうな…と」。黒田が取り組むチェンジアップにも言及し、「あの年齢で新球種を投げる姿を見て、去年以上にチームに貢献してくれると思う」と目を細めた。

 41歳。現状の仕上がりを問われ、「年を1歳取ったな…という感じ」と茶化して笑った。だが、投球は年齢をまったく感じさせない。「打者に初めて投げたことを含め、段階は経ていると思う。これからランク付けをしていかないと」。緩急に進化を求める大黒柱。今年も頼りになりそうだ。(江尾 卓也)

続きを表示

2016年2月24日のニュース