阪神 セ唯一勝ち越しも…最高勝率のパとリーグ“格差”顕著に

[ 2015年6月17日 05:30 ]

<神・日>2回、鳥谷は早大の後輩・有原から適時二塁打を放つ

交流戦 阪神11-4日本ハム

(6月16日 甲子園)
 プロ野球の日本生命セ・パ交流戦は16日、阪神が最高勝率が懸かっていた日本ハムに今季最多11得点で大勝。連敗を4で止め、セでは唯一の勝ち越しを決めて意地を見せた。交流戦は全日程を終了。日本ハムは勝率2位となり、ソフトバンクが逆転1位で賞金総額1500万円を獲得した。今年は優勝を決めず、通算成績はパが61勝44敗3分けで6年連続の勝ち越し。パの勝率・581は史上最高でセとパの「格差」が顕著となった。リーグ戦は19日に再開する。

 低調だった打線がようやく目覚めた。しかも、攻略したのは、昨秋のドラフトで1位指名しながら4球団による抽選を外した、かつての「虎の恋人」有原。プロの厳しさを教えたのは、早大の先輩コンビだった。

 0―0の2回1死一塁、高校も同じ広陵出身の6学年先輩・上本が「先制点を取るかどうかは大事なところだった」と、外角カットボールを左翼線に運ぶ二塁打。鶴岡の右前への先制2点適時打を演出すると、2死後には11学年先輩の鳥谷が貫禄を見せた。変化球が3球続いた後の外角147キロ直球を鮮やかに左翼線へ。有原については「(後輩)どうこう言うのはない」と無関心ながら「変化球が多かったのでね」と見事な読み勝ちで、3点目を叩き出した。

 14日までのオリックス3連戦(京セラドーム)でわずか2得点に終わった貧打の姿はなかった。有原を引きずり降ろした4回は、打者一巡の猛攻で一挙7点。上本は3番手・白村に16球投げさせて四球を選ぶと、2死満塁から鶴岡が左中間に走者一掃の二塁打。試合前まで打率・116だったプロ20年目のベテランは、自己最多の1試合5打点と2年ぶりの猛打賞をマークし、お立ち台では「僕も一応バットを持っているんでね」と自虐コメントで沸かせた。

 パの強さが目立った今年の交流戦だが、最終戦勝利で10勝8敗とし、2年ぶり5度目の勝ち越し。10年以来、史上2度目の「セ6球団全て勝ち越しなし」という屈辱は免れた。連敗を4で止めた和田監督は「連敗のままセ・リーグ同士の戦いに入るのと、止めて入るのとでは気分的に違う」と安ど感をにじませた。

 借金は2ながら、交流戦で4つ負け越した首位・巨人とは2ゲーム差。指揮官はリーグ戦再開へ向け「しっかり2、3日を有効に使って備えていきたい」と意気込んだ。

 ▼阪神・岩田(プロ入り最多タイの140球で4失点完投。今季5勝目で通算50勝)球数の割に体は疲れていなかった。もっと早く50は勝てたと思うし、何とも思わない。

 ▽交流戦の順位決定方法 勝率が優先される。複数チームが同率となった場合、(1)勝ち数(2)直接対決の成績(3)1イニング当たりの得点率と失点率の差(TQB)(4)1イニング当たりの自責点による得点率と失点率の差(5)チーム打率(6)前年の交流戦順位――に従う。3チーム以上が並んだ場合は(2)を除いた項目で決定。今回は楽天、ロッテ、阪神が10勝8敗で並び、(3)により4位楽天、5位ロッテ、6位阪神となった。

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