イチロー 燃えた!初回、マー君から今季最速167キロ打

[ 2015年6月17日 05:30 ]

<マーリンズ・ヤンキース>3回、田中から二塁内野安打を放つイチロー

インターリーグ マーリンズ2―1ヤンキース

(6月15日 マイアミ)
 マーリンズのイチロー外野手(41)とヤンキースの田中将大投手(26)が15日(日本時間16日)、公式戦初対決を迎えた。「2番・中堅」でスタメンに名を連ねたイチローが、先発登板した田中から4打数2安打。メジャー15年目のレジェンドの貫禄を示した。田中は7回を投げ、今季ワーストの9安打されながら2失点と粘ったが、2敗目(4勝)を喫した。

 充実の4打席を通じ、イチローは田中と対話していた。両手に残る感触と、どこか心地よい心身の疲労感。2安打した先輩が、敗戦投手となった15歳下の右腕に贈ったのは、ただ賛辞だった。

 「先発として100球をどう組み立てるか。その考え方がはっきり見える。十分エースになるピッチャーですよ。必ずゲームをつくる。それは一番大事なことだから」

 気持ちと技術を2安打に込めた。初回1死。1ボールからの真ん中93マイル(約150キロ)を強振。一、二塁間を破った当たりは、打球の初速が104マイル(約167キロ)。イチローの今季最速103マイル(約166キロ)を更新し、平均の81・75マイル(約132キロ)を大きく超える会心の当たりだった。

 続く3回先頭は、らしさを全開。2ボール1ストライクから、外角低めのツーシームを叩き付けて拾った。高いバウンドは田中のグラブを越え、二塁手が追い付いた時には既に一塁到達。これでメジャー通算2884安打で、歴代38位のザック・ウィートに並んだ。

 残る打席は、見逃し三振と遊ゴロに倒れた。2安打の一方で得点には絡めず。突破口を探りながら田中に踏ん張られ、「力を入れるところと、抜くところをよく分かっている。結局2点しか取られていない」と続けた。ベストピッチを問われると、ボールを挟むしぐさで「スプリットは外せない。特別なのはここって時のこれ」と説明した。

 一緒にヤ軍で戦った昨季に感じたことを、こう話したことがある。「何かうまくいかないことを前提に組み立てている。通常の状態を保てないとゲームを壊してしまうけど、しんどそうに見えても形にする」。メジャーで15年生き抜いてきたからこそ、エースに最も必要なものが分かる。

 両軍の今季対戦はこの4連戦だけ。再戦の日は分からないが「頭を使うから面白い。駆け引きが必ずある。毎回対戦が面白いタイプのピッチャーですね」とうなずいた。41歳が、好敵手の登場を喜んでいるようだった。

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