2年生以下6人先発…海星　もろさ露呈も来年へ“経験生かす”

＜二松学舎大付・海星＞１回２死、満塁、今村に右前２点適時打を打たれガックリの海星・石場

第９６回全国高校野球選手権２回戦 海星５―７二松学舎大付

（8月15日 甲子園）
　意地の猛反撃も届かなかった。海星（長崎）が５点を追う５回、打者１０人の猛攻で４点を返し、１点差に詰め寄った。しかし、逆転はできず１２年ぶりの夏の甲子園１勝は手にできなかった。

　「序盤に失点を防がないといけないが、無駄な点をやりすぎて自分たちで崩れてしまった。思い切って起用しましたが、それが裏目に。私の采配ミスです」

　加藤慶二監督は裏目に出た攻撃的な先発オーダーを悔やんだ。打力重視で本来は一塁の平湯を三塁で起用し、村上を一塁に入れた。「左の大江君には苦戦する。大黒君の時にリードする」と同監督。二松学舎大付の先発右腕・大黒を攻略し、主導権を取るという狙いだった。ところが、初回１死一塁で送りバンントを処理した平湯が一塁に悪送球し、３失点につなげてしまう。５回まで毎回の計７失点した。

　２年生の４番・平湯は慣れない三塁の守備でリズムを崩したのか、期待された打撃でも４打数無安打に終わった。父・隆之さん（４０）、兄・翔太さん（２０）ともに海星で甲子園に出場。父は９０年夏の初戦で日大東北（福島）に敗れたが、安打を記録した。兄に初戦突破を約束していた平湯は「初回のミスを挽回しようとして力みにつながった。親を超えられず兄に謝りたい」と涙を流した。

　スタメン９人中２年生以下が６人。この日は勢いではなく、もろさが出た。「この日の経験をどう生かすか。同じことを繰り返さないようにしたい」と加藤監督。この貴重な経験が成長の糧になる。