ダル 1カ月ぶり2勝目 チャレンジで流れ変わった「大好き」

[ 2014年5月6日 05:30 ]

<エンゼルス・レンジャーズ>追加点にベンチで笑顔を見せるレンジャーズのダルビッシュ

ア・リーグ レンジャーズ14―3エンゼルス

(5月4日 アナハイム)
 レンジャーズのダルビッシュ有投手(27)が4日(日本時間5日)、ビデオ判定に助けられて1カ月ぶりの白星を手にした。エンゼルス戦の2回1死一、二塁、自らのバックハンドトスで三塁封殺したプレーは、ビデオ判定の結果、セーフがアウトに覆った。不安定だった立ち上がりをこのプレーで持ち直し、6回1/3を7安打3失点。14点を奪った打線の援護もあり、4月6日以来の2勝目を挙げた。

 ダルビッシュは「チャレンジというルールに助けられたなと思います」と白い歯をのぞかせた。初回に2本塁打を浴びるなど、不安定だった立ち上がり。一プレーが立ち直るきっかけを与えた。

 2回1死一、二塁。アイバーの三塁方向へのボテボテのゴロにダッシュし、バックハンドトスで三塁封殺を狙った。塁審は三塁手の足がベースから離れたとしてセーフ。「離れたかなって僕にも見えた。一瞬のプレーだと審判もなかなか見えないですし」とダルビッシュ。一塁側カメラのリプレーは足が離れているように映った。だが左翼後方からの視点では、捕球後に走者の足が三塁手のスパイクを蹴り出したのを捉えていた。チャレンジ平均の2分6秒を上回る、2分51秒もの審議の結果、判定は覆りアウト。「凄く大きかった。あのアウトが取れなかったら、1死満塁でトラウトだった」と次打者の難敵・トラウトを三振に斬りリズムを取り戻した。

 2回終了時で球数は51球に達していたが、3、4、6回を3者凡退とするなど、7回1死まで投げ抜いた。過去5戦、9イニング換算で平均1・44得点と規定投球回到達投手で両リーグ最低の援護だったが、この日は大量リードにも守られた。

 ダルビッシュはチャレンジ制度について「機械になってしまい、(心情などを察すると)審判の方がかわいそうだなと思うけど」と吐露する一方で、「でもきょう助けてくれたので、大好きです」とおどけた。正しい判定は下され、ようやく今季2勝目を手にした。

 ▽チャレンジ制度 昨年までは本塁打に限られたが、今季から「ストライクかボールか」、「スイングしたかどうか」などを除くほとんどのプレーにビデオ判定の適用範囲を拡大。監督はビデオでの審議を求める「チャレンジ」の権利を持ち、判定が覆った場合は2度目の要求が可能。各球場には7~12個のカメラが設置されプレーを追う。大リーグ機構はニューヨークのチェルシーに、総工費30億円以上をかけて、ビデオ判定を一括して行うスタジオを設置した。

続きを表示

この記事のフォト

2014年5月6日のニュース