和田 トラウト&プホルス斬り メジャー望みつなぐ2回0封

[ 2014年3月9日 05:30 ]

<エンゼルス・カブス>6回、トラウトから空振りの三振を奪う和田

オープン戦 カブス3―2エンゼルス

(3月7日 テンピ)
 カブスとマイナー契約を結んだ和田毅投手(33)が7日(日本時間8日)、エンゼルスとのオープン戦に4番手で初登板。強打者・マイク・トラウト外野手(22)を空振り三振に仕留めるなど、2イニングを3安打無失点に抑えた。過去2度の実戦では、いずれも本塁打を浴びて失点していたが、土壇場で見せた好投。渡米3年目で悲願のメジャーデビューへ、左腕は結果にこだわる。

 いきなり迎えた重量級スラッガーたちとの対戦。だが、和田には楽しむ余裕があった。

 「テレビで見ている打者ばかりなので、楽しんで投げられた。そこで抑えれば、自分の立場ではアピールになるので」

 6回から4番手で登板。先頭は12年新人王で、2年連続MVP投票2位のトラウトだ。2ボール2ストライクから、最後は外角高めの92マイル(約148キロ)直球にバットが空を切る。続く通算492本塁打のプホルスも初球の高め直球で詰まらせて中飛に。課題としていた右打者、それもメジャーを代表する大砲コンビを力で抑え込んだ。

 この後、2安打と四球で2死満塁のピンチ。紅白戦、ジャイアンツとの練習試合の過去2試合は、計3回2/3で3本塁打されており「満塁の場面はホームランを打たれたらどうしようと、さすがによぎった」というが、中飛で切り抜けた。味方の失策が絡んだ7回1死二、三塁も、生還は許さなかった。招待選手の和田にとっては、内容より「無失点」という結果がどうしても欲しかった。

 オリオールズに在籍していたメジャー1年目の12年キャンプで左肘を痛め、同年5月に患部に腱を移植する「トミー・ジョン手術」を受けた。その手術の第一人者で球界に定着させたフランク・ジョーブ氏が前日に88歳で死去した。「ショックでした。自分もトミー・ジョン手術のおかげでまだ野球ができている」。執刀医ではないが、故人に深く感謝し、投げられる喜びをかみしめた。

 新天地で挑む勝負の3年目。「立場的に無失点でも安心はできない。反省して、次の登板があることを願ってやっていきたい」。メジャー初登板を目指す和田は好投にも浮かれることはなく、表情を引き締め直した。

続きを表示

2014年3月9日のニュース