求む、お祭り男!代打の神様が「みこし」の担ぎ手出現期待

[ 2013年10月11日 09:29 ]

ティー打撃中に笑顔を見せる桧山

 求む、お祭り男―。阪神は10日、12日開幕のクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージに備えて甲子園球場で全体練習を行った。現役生活最後の舞台となるポストシーズンに臨む桧山進次郎外野手(44)は、4連敗の苦い記憶を残す05年日本シリーズで大活躍を許したロッテ・今江のような、短期決戦でチームを勢いづける絶好調選手の出現を期待した。

 【阪神関係記事2、3面】

 戦い方の難しさを痛いほど感じてきたからこそ、言葉には力がこもった。約3時間半に渡って行われた全体練習。桧山は2日後に迫る決戦に向けてフリー打撃などで汗を流すと、“シリーズ男”の出現を待ちわびた。

 「短期決戦は、ノッた選手がいるチームが強い。チームもそうだし、個人的にノッたら、手がつけられない」

 名前こそ口にはしなかったが、かつて敵となった1人のお祭り男をイメージしていたのかもしれない。ロッテ・今江―。そう、05年の日本シリーズだ。阪神が20年ぶりの日本一を狙って乗り込んだ、敵地・千葉での第1戦。1―10の7回途中濃霧コールドゲームの中、2番・今江には初回の先制ソロを含む4打数4安打の活躍を許した。

 当時、「6番・右翼」でチームの中心選手として、屈辱の4戦4敗を経験した桧山。15打数10安打4打点、打率・667でMVPへと突っ走った今江の驚異的な活躍を、黙って見つめるしかなかった。阪神はその後、07、08、10年と3度出場したCSですべてファーストS敗退。短期決戦に「弱い」印象が定着した。

 そんな歴史に終止符を打つべく、「神様」が期待したのは「みこし」の担ぎ手だ。「そういう選手がたくさん出てきたら、チームに勢いがつく。自分から仕掛けていかないと。相手を待っていたらダメだよね」と、今江のようにチームに勢いを付ける存在を望んだ。

 自身も戦いの中心で、チームに貢献したいと強く願っている。「1本出れば次にバーンと勢いよく、思い切っていける。結果が出なくなると、(結果が)ほしいほしいと、あっという間に(シリーズが)終わってしまうよね」。打席が巡るのは、好機のはず。1本打って、勢いに乗せたい。

 今季限りで現役引退。ポストシーズン終了が、そのまま現役生活ラストの瞬間になる。1試合でも長く、このタテジマのユニホームを着て仲間と戦いたい。頂点に上り詰め、歓喜の瞬間を味わいたい。引退試合に続く胴上げを…と誓う西岡のような、後輩のうれしいメッセージも出ている。

 「みんなで勢いを付けて、やっていきたいと思います」

 短期決戦を勝ち抜くには、何を置いても勢い。神のお告げに、間違いはない。

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2013年10月11日のニュース