大谷 強烈レーザー2補殺 「ゴロ転がるぐらい低く」忠実に実践

[ 2013年7月10日 06:00 ]

<楽・日>6回1死一塁、聖沢の右前打で大谷が一塁走者・島内を三塁で刺殺する

パ・リーグ 日本ハム0-5楽天

(7月9日 東京D)
 強烈な送球に、楽天ファンからも大歓声と拍手が起こった。6回1死一塁だ。日本ハム・大谷が聖沢の緩い当たりの右前打を捕球した時、俊足の一塁走者・島内は二、三塁間の中間まで達していた。そこから三塁にワンバウンドで矢のようなストライク送球。今季3度目の補殺を記録すると、楽天・鈴木三塁ベースコーチは驚きの表情を浮かべた。

 「1歩目がちょっと遅れて間に合わないかと思ったけど、いい球がいって良かった」

 田中との2度目の対決。3回の第1打席では、初球、2球目と厳しく内角を攻められ、続く3球目も懐に食い込む144キロのカットボール。左膝を直撃し、プロ初の死球を受けた。2打席目は四球、3打席目は遊ゴロ。結局無安打に終わり、初の盗塁失敗も記録した。しかし野手・大谷の魅力は打撃だけではない。投手として最速160キロを誇る強肩がある。普段の守備練習では肩を休ませるため送球はしないが、大塚外野守備走塁コーチの「ゴロが転がるぐらい低く投げろ」という助言を忠実に実践した。

 この日は練習前にブルペンで50球を投げた。通常、投手はチームの全体練習中にブルペン投球を行う。二刀流調整が続く大谷もこれまではそうしてきたが、野手のメニューに影響が出るため導入した新たな調整。全体練習前にブルペン投球を終えたことで、右翼での守備練習や走塁練習、フリー打撃など野手としてのメニューを消化して試合に臨むことができた。

 「早めに来てアイシングもできたので体も重いところがなかった」。8回には、松井のフェンス際の大飛球を素早く処理し、二塁へワンバウンド送球。プロ初の1試合2補殺を記録した。たとえ打てなくとも、大谷は観客を喜ばせるすべを持っている。

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