新井 2年ぶり10号「今年は何とか見返したいと思っている」

[ 2013年7月10日 06:00 ]

<神・中>初回に2点適時打を放った新井はナインとハイタッチ

セ・リーグ 阪神6-2中日

(7月9日 沖縄セルラー)
 沖縄特有の「指笛」が鳴りやまない。甲高い音色で勝利を祝ってくれる。チームは4連勝。自身は4打点。南国の地でヒーローインタビューを受けた阪神・新井は「沖縄のタイガースファンに喜んでもらえてうれしい。(独特の応援は)新鮮でした」と声を弾ませた。

 試合開始の午後7時すぎ、その空はまだ明るかった。阪神球団初の沖縄での主催試合。記念すべき「虎1号」をファンにプレゼントしたのは6回だった。無死一塁。中日・岡田の120キロスライダーを、逆風を切り裂いて左翼へと運んだ。10号2ラン。和田監督も「大きかったね」と称えた値千金の一発だった。

 新井は初回1死一、三塁でも、右中間フェンス最上部を直撃する2点二塁打。そして正真正銘の一発は、自身2年ぶりの2桁本塁打となった。昨季は右肩痛の影響などで、4年ぶりに1桁の9本塁打止まり。今季も開幕直前まで2軍調整を強いられ、一部の首脳陣は1軍の戦力として見ていなかったという。「新井はもう無理だ」――。嫌でも聞こえてくる周囲の雑音。「去年初めて大きなケガをした。周りからもいろいろと言われたし、悔しかった」。そんな熱い思いを、暑い沖縄で晴らした。この日の一発も、膝元へ沈む変化球を力強くさばいた。右肩の不安はもう、ない。主砲は「2桁?まだまだ打ちたい。今年は何とか見返したいと思っている」と力強くうなずいた。

 阪神は03年から沖縄・宜野座村で春季キャンプを実施。同じ沖縄・北谷町でキャンプを張る中日との「南国対決」第1ラウンドを制し、和田監督も「宜野座村からもたくさんの方が来ている。うれしい」と喜んだ。首位・巨人との3・5ゲーム差もキープした。この日、勝利チームは沖縄の「オリオンビール」1年分をゲット。「ビールがうまいだろうな。狙えるものは、狙う」と話していた新井。試合後は記念パネルを手に「ドヤ顔」も飛び出した。試合後のビールは、さぞやうまかったに違いない。

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