阿部不在の打線は迫力不足…原監督「0点では難しいね」

[ 2012年11月1日 06:00 ]

<日・巨>初回2死一、三塁、先制の好機に村田(25)が一邪飛に倒れ、渋い表情の巨人・原監督(右端)

日本シリーズ第4戦 巨人0―1日本ハム

(10月31日 札幌D)
 日本ハムナインの歓喜の輪ができる前に、巨人・原監督はグラウンドに背を向けてベンチ裏に消えた。主砲を欠いた打線は単打のみの7安打で1点も奪えなかった。迫力と決定打を欠き本塁が遠かった。

 「もうちょっと打線がね。仕留めに入らないといけないね。0点では難しいね」

 右膝裏を痛めた阿部の欠場。さらにこの日はベンチ入りメンバーからも外れた。高橋由を日本シリーズで初めて4番に置き、5番は村田、6番には小笠原を初先発で起用した。初回、いきなり好機が巡って来た。1死一、三塁。だが、高橋由は遊飛、村田は一邪飛。6回2死二塁で高橋由が空振り三振と、全て日本ハム・中村の140キロ前後の直球を打ち損じた。「俺が打っていればね」と高橋由。だが、ベテランらしくない力みの入ったスイングが、阿部不在の重圧の大きさを表していた。村田も「特別影響はない」と言ったが、結果的に打線は不発だった。

 9回には右前打の高橋由に代走・藤村を送り、DHを解消させる采配で2死満塁をつくった。だが、代打の切り札・石井が左飛。先頭打者は4度出塁し、3度の犠打で1死二塁の得点機をつくったがつながらない。原監督は阿部不在について「それは仕方のないこと。慎之助はチームを助けてきたし、慎之助がいないなら周りが助けないと。それができなかった」と言い訳にはしなかった。

 大黒柱を欠いて2勝2敗のタイ。「接戦のところでわれわれは勝負してきている。逆に言えば、こういう戦いを望んできているわけだから。2勝2敗という形になって、またあした決戦ということですね」。原監督はそう言ったが、第5戦以降も阿部の出場は微妙。強い逆風の中で勝負に立ち向かわなくてはならない。

 ≪サヨナラ敗戦は18年ぶり≫巨人が日本シリーズでサヨナラ敗戦を喫するのは、94年西武第4戦以来18年ぶり9度目。シリーズ最多の33度も出場しているため、球団別では西武の5度を抑え最も多い。また、このカードでサヨナラ負けは、81年第1戦以来2度目となった。巨人のサヨナラ敗戦試合の次戦勝敗を見ると、これまでは5勝3敗。次戦に勝ったシリーズは日本一、敗れた場合は敗退と明暗が分かれており、第5戦は落とせない。なお、巨人の1、2戦連勝スタートは9度目だったが、3、4戦を連敗し2勝2敗に追いつかれたのは今回が初めてだ。

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2012年11月1日のニュース