25日ぶり11勝目!ダル、2桁奪三振で社長に並んだ

[ 2012年7月23日 06:00 ]

<レンジャーズ・エンゼルス>先発したレンジャーズのダルビッシュは7回3安打2失点で11勝目を挙げた

ア・リーグ レンジャーズ9―2エンゼルス

(7月21日 アナハイム)
 世界の奪三振王に並んだ。レンジャーズのダルビッシュ有投手(25)が21日(日本時間22日)、エンゼルス戦に先発し7回3安打2失点。力で押す投球で自己最多タイの11三振を奪い、11勝目を挙げた。年間6度目の2桁奪三振試合は球団の新人最多記録を更新。レ軍の右投手では91年にメジャー歴代最多の通算5714奪三振を誇るノーラン・ライアン(現球団社長=65)が達成して以来21年ぶりとなった。

 真っ向勝負。ダルビッシュが復活するために出した答えだった。象徴的だったのが3回に1点を返され、なおも無死一、二塁。強打者ハンターに全7球ストライクを投じた。5球連続でファウルされても、ボール球を1つも挟まない。最後は95マイル(約153キロ)直球で空振り三振を奪った。

 「ストライクを投げて打者に向かっていくことだけを考えた。これだけの打線。抑えて勝てたのは本当に自信になった」。3回までの49球中40球が直球系。最速97マイル(約156キロ)で球威があり、打者の手元で伸びる。ツーシームはよく動いた。毎回で自己最多タイの11奪三振。6度目の2桁奪三振は球団新人最多記録で右投手では91年のライアン以来。それでも「試合中に(三振数を)知っている時もあれば、知らない時もあるのでそんなに意識していないかなと思う」と涼しい顔だ。

 前回14日マリナーズ戦で自己ワーストの7失点。中6日の期間で準備を重ねた。約3キロのメディシンボールを上空に放り投げる動作を繰り返し、体全体の筋肉を刺激した。さらにシーズン中では初めての2日連続の投球練習。フォームを見直し「少し修正した。(具体的には)言わない」と多くを語らなかったが、引き手の左腕の使い方を変えた。三塁側に伸ばしていた腕を素早く畳んで左胸に絞り込みコンパクトにすると、腕の振りは確実に鋭さが一段増した。

 復調の陰には同僚からの技術、精神両面のサポートもあった。通算162勝右腕のオズワルトから「制球が定まらない日は投げる時にでん部が外に流れるように映る」と指摘された。捕手トレアルバからは16四死球、防御率6・88と苦しむ初回克服へ、試合直前に「もう初回は終わった。これから2回に入る。そう思って投げろ」と指示された。この言葉でリラックスしたダルビッシュは3者凡退に仕留め「初回が終わったら“次は3回だな”って言ってきた。うまくいった」と笑った。

 6月26日以来の白星で自身の連敗も2でストップ。「きょうは僕自身が良かった。直球系も良かった」。ただの1勝ではない。さらなる飛躍への1勝をつかんだ。

 ▼レンジャーズ・ロン・ワシントン監督 直球の制球が良く球威もあった。初回を3人で片付けて試合の流れをつくった。前日まで当たっていたプホルスを見逃し三振に斬った5回は圧巻だった。

 ▼エンゼルス・高橋(8回から4番手で登板し2回2安打2失点)自分の投球を心掛けたが(最初の2人には)うまくいかなかった。あとは自分の投球ができたので特に問題はない。

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