清武氏と一問一答「君は破滅だよと言われるのは恐怖」

[ 2011年11月26日 06:00 ]

清武前代表は会見で渡辺会長のコンプライアンス違反の実例を挙げて主張する

巨人内紛

 【清武氏に聞く】

 ――9日や11日以外に江川氏をめぐるコーチ人事で渡辺氏と話したか。

 「直接的にはこの2回です」

 ――多くの報道陣が詰めかけた。

 「大変多くの方々が関心を持ってくれているという気持ち。オリンパスの元社長もお見えになったそうですが、役員が、特に最高実力者が誤ったときに誰かが、それは不当であると声をあげることは非常に大事。渡辺会長は大変な実力者なので、私一人でなぜここまでやるのかという気持ちもあるのでしょう。(友達がいる)ヤンキースの方々も心配してくださるし。海外の方々もアメリカの方々にも分かってもらいたいと思ってここを選びました」

 ――一連の騒動は鶴の一声が積み重なってのものなのか。

 「これまでも鶴の一声に近いものはありました。今回我慢できないと思ったのは、選手、コーチに関係することだから。鶴の一声を私がのんで下に伝えれば了承されたかもしれません。でも、彼らは心の中では大変軽蔑します。フロントの業務は選手やコーチ、監督の信頼を失ったらやっていけません。もう一つ。岡崎郁ヘッドコーチがもし降格された場合、ベンチには定員があるので、誰かがはみ出す。私は江川さんを大変尊敬しています。しかし、江川さんを入れることで、組織全体が大きく変わらざるを得ない。2軍のコーチには内示をしていたので組織の崩壊につながる」

 ――民主的な手法や話し方で渡辺会長が人事の話を持ってきたら。

 「コーチ人事を内示する前であれば協議の対象になったと思う。10月20日に報告にいったときに“もしCSに負けたら白紙になるよ”という言葉があってしかるべき。コーチ人事を内示したのは(10月)31日の夜。4日間空白があって突然、内示から5日目になって、しかも具体的な話が出てきたのは7日ですから。もし言うのならもっと早く言っていただきたい」

 (自ら切り出し)

 「解任の中に私が不当にポストを要求したとあるのは大変心外。ある先輩から休みの日に連絡があり、“渡辺会長は名誉ある撤退はできないのか、巨人の取締役会長から退くことはできないのか”と。しかし、また戻って来るかもしれない。誰かがチェック役にならなくてはならない。私は“監査役として残る覚悟はある”と申し上げただけで、それも雑談の中。私の意志を本社の中枢の冷静な人に伝えてもらいたいという気持ちがありました。そういう話もした。しかし雑談。それをポスト要求とすり替えるのは言い掛かりに近い」

 ――なぜこれまでこのようなことができなかったのか。それほど読売新聞の社内は恐ろしいのか。

 「私たちにとって、もし“君は破滅だよ、破局だぞ”と言われるのは恐怖。読売新聞社、あるいは読売巨人軍の中においてもなかなか声を出すことができないのは、そういう最高実力者に対する畏怖があると思います。しかし私は今回、自分の職を賭して、コーチたちを守ることができたので満足しています」

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2011年11月26日のニュース